一括投資か?積立投資か?初めて投資する場合は積立投資をお勧めする理由

たーぼうです。例えば、今まで投資経験の無い人が、今までコツコツと溜めてきた預金を投資に回す場合、一括投資がいいのか?それとも積立投資がいいのか?について書いてみました。

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一般的には一括投資の方がリターンが大きい

下記記事では、積極型、バランス型、安定型の3つのポートフォリオを、一括投資で運用した場合と積立投資した場合とで20年後のリターン分布を比較しています。それによれば、積立投資よりも一括投資の方が概ねリターンが大きいです。

リターンの差が生まれる理由

なぜ積立投資と一括投資でこれほどリターンの差が生まれるのでしょうか。最も大きな要因は、投資期間の違いです。一括投資では投資資金を20年にわたって運用し続けます。一方で積立投資は、投資を開始した最初こそ20年間運用しますが、19年11カ月目に投資したお金の運用期間は1カ月のみです。

積立投資の実質的な投資期間は一括投資の半分になるため、長期投資で力を発揮する「複利効果」も一括投資と比べて得にくく、相対的にリターンが低くなりやすいのです。

「一括投資と積立投資、どちらにすべき? リターンの違いをチェック」フェディリティ証券 より引用

また、上記とは違うのですが、たーぼうも以前の記事で投信を2019-2022年の間に、「年初一括購入」「毎月定期購入」「VIX指数が高い時に一括購入」の3つのパターン購入した場合のリターンを比較したことがあります。この場合も年初一括購入が他の購入方法に比べてパフォーマンスが圧勝していました。

結局は「より多くのお金を長期間市場に置いた方がリターンが高くなる可能性が高い」と言う訳ですね。なので一括購入の方がリターンが有利になることが多いわけです。

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それでも投資初心者には一括購入をお勧めできない理由

たーぼうは、それでも投資初心者には積み立て投資をお勧めしますね。

理由は投資初心者は運用資産の変動に過剰反応してしまう可能性があるからです。

1000万円を株式に一括投資した場合、日々の資産の変動幅はどうなるか?

2011/7/11~2021/7/8の10年間で、S&P500での暴落、暴騰の頻度を調べたことがあります。(下記記事参照)10年間で-2%~-5%の暴落が82回、-5~-10%の大暴落が5回、-10%以上の超大暴落が1回発生しています。

概ね-2%~-5%の暴落は年8回、-5~-10%の大暴落は2年に1回、-10%以上の超大暴落は10年に1回と言った感じです。

暴落時には毎月の手取り額位がたった1日で無くなることもある。

例えば1000万円を株式に一括投資したとした場合、-2%暴落すると資産が20万円減ります。人によっては毎月の手取り額位のお金がたった1日で減ることがあるのです。何もしてないのに。

これくらいの暴落は毎年ごく普通に発生するのが株式投資の世界です。投資初心者がいきなり大金を一括投資した場合、このボラティリティに耐えられるのか?が最大の課題になるのではないでしょうか?

もしそうなった場合、さらなる下落が怖くて夜も眠れなくなって翌日の仕事に支障をきたしたり、怖くなってせっかく投資した株を全部売ってしまった、なんてことになったら元もこうも無いですよね。でもこれ結構ありがちなことですよね。

相場上昇時にはよりリスクを取りに行ってしまう危険性がある。

反対に、一括投資後に運よく株価が暴騰してしまうことも、投資初心者には危険なことかもしれません。2011/7/11~2021/7/8の10年間でS&P500では+2%~+5%の暴騰が51回、+5~+10%の大暴騰が5回発生しています。+2%~+5%の暴騰は概ね年間5回、+5~+10%の大暴騰は2年に1回程度でしょうか。

暴落より暴騰の回数が少ないのは、株価は落ちるときは急落することが多く、上昇する場合は緩やかに上昇することが多いからですね。

暴騰した場合、たった1日で毎月の手取り額位のお金が増えた、なんてことも株式の世界では良く起こります。多分(暴落時同様に)投資初心者だったらびっくりしますよね。「あれ、無理して働くことないんじゃないの?」とか思ってしまうかもしれません。

でも危険なのはこれに触発されてさらにリスクを取りに行ってしまうことです。例えばさらにリターンを得るべく預金をすべて投資に回したり、仮想通貨、FX、レバレッジ商品などのさらにボラティリティの高い投資商品に手を出してしまうことではないでしょうか?

積立投資のいい所は徐々に運用資産額が増えていく点だと思う

積立投資のいい所は、最初は運用資産額が少ないから日々の資産額の変動幅も小さいところです。毎月積み立てることで徐々に資産総額が増えていくので、日々の資産額の変動幅も徐々に大きくなっていきます。その結果徐々に大きくなる日々の資産の変動幅に対して、自然に慣らされていく(いい意味で鈍感になる)ようになります。

長期間積立投資をしていくうちに、いつのまにか、暴落や暴騰の結果1日で毎月の自分の手取り額分位資産が増減したとしても過剰に一喜一憂しなくなります。その結果「まあ投資なんだからこういう日もあるよね」って思えるようになっていきます。長期投資ではこの「過剰に一喜一憂しない」ことが最も重要ではないかと思います。なんなら資産残高とかも毎日見ない方がいいのかもしれませんね。

投資初心者にとって「自分のリスク許容度」がどのくらいなのか?なんてわからない

本来は日々の資産額の変動幅に対する耐性があるのなら、一括投資が最もリターンが大きい可能性が高いのですね。

結局は自分のリスク許容度の範囲内で投資をするべきなのですが、そもそも投資初心者にとって「自分のリスク許容度」がどのくらいなのか?なんてわからないじゃないですか(こういうことは実際やってみるしかないのです)。ならば最初は積み立て投資からスタートするのが無難なんですよね。

自分はもっとリスクを取れると言うのであれば、例えば1000万の内500万を一括購入、残りを積み立て購入すると言う、言わば「一括購入と積み立て購入のハイブリッド」と言う手もありますね。

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たーぼうは2020年のちょうどコロナショックの頃に投資に本格的に取り組み始めたのですが、もし当時一括投資できていたらもっと儲けられたのになとは思います。一括投資って勇気が要りますよね。
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