入門用ロードバイクを買う際「ディスクブレーキ車」「リムブレーキ車」のどちらを買うべきか?判断材料をまとめてみました。

たーぼうです。2021年10月にロードバイク(GIANT CONTEND2)を購入し、自転車生活を楽しんでいます。

さて、2023年現在、初めてロードバイクを購入する場合に「リムブレーキ車」「ディスクブレーキ車」のどちらを買うのかは、後戻りが出来ない極めて重要な選択になります。本記事ではメリットデメリットを踏まえた上で「リムブレーキ車」「ディスクブレーキ車」のどちらを選択するかの判断材料をまとめてみました。

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リムブレーキ車をディスクブレーキ車にグレードアップするのは事実上不可能。だからこそ、よく考えて選択する必要がある

【注意】リムブレーキ車のブレーキだけを交換すればディスクブレーキ車化が出来るわけではありません。なぜそうなのかを説明します。

リムブレーキ車とディスクブレーキ車ではフレームのリヤエンド幅が異なる

エンド幅(OLD)とはフレームの車軸の幅を意味します。現在リムブレーキ車のリヤエンド幅は130mm。ディスクブレーキ車のリヤエンド幅は142mmが標準的になっています。これが何を意味するかと言えば、リムブレーキ車に乗っていて、やっぱりディスクブレーキ車に乗りたいなと思っても、ブレーキを替えるだけではディスクブレーキ車化することが出来ないことを意味します。

つまり、リムブレーキ車をディスクブレーキ車にグレードアップするには、ブレーキに加えてフレームと前後ホイールの交換が必要になってきます。またフロントホークのエンド幅はリムブレーキもディスクブレーキも100mmで同じではあるのですが、フロントホークにはディスクブレーキ用の台座が必要なのでフロントホークも要交換。つまりリムブレーキ車をディスクブレーキ車化には以下の部品の交換が必要です。

・フレーム
・フロントホーク
・前後ホイール
・前後ブレーキ
・ワイヤー類

これらの部品を交換すると、結果的にほとんど完成車を買い直すに近いコストがかかると思われます。だからこそ、最初に完成車を買う際にはよく考えて選択する必要があるわけです。

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メリット・デメリット

リムブレーキ車のディスクブレーキ車化(その逆も)不可能である以上、リムブレーキ車とディスクブレーキ車のメリット・デメリットを理解して、自分の自転車の乗り方がどちらに合っているかを判断する必要があります。ただもし判断に迷ったらディスクブレーキ車を選択するのが無難でしょうね。

GIANT CONTEND2のキャリパーブレーキ(TEKTRO TKB177)

リムブレーキ車のメリット

完成車価格が安い

2023年モデルのGIANT CONTENDシリーズで、メインコンポに同じくクラリスを採用したモデルのリムブレーキ車とディスクブレーキ車(※油圧ではなくメカニカルブレーキです)の、完成車価格を比較してみました。

・リムブレーキ車  :CONTEND 2  \129,800(税込)
・ディスクブレーキ車:CONTEND AR4 \159,500(税込)
 →差額:¥29,700

2023年モデルのGIANT CONTEND AR4とCONTEND 2ではブレーキ以外にも、補助ブレーキ有無やタイヤサイズ等で若干の相違点がありますが、大まかには完成車価格で約3万円程度の差があります。入門車でこれはかなりの差ですよね。

リムブレーキ車の方が軽量である

リムブレーキ車とディスクブレーキ車では重量も異なります。同じく2023年モデルのGIANT CONTEND AR4とCONTEND 2で重量を比較します。
・リムブレーキ車  :CONTEND 2   9.8kg(Mサイズ480mm)
・ディスクブレーキ車:CONTEND AR4 10.3kg(Sサイズ465mm)
 →重量差:0.5kg

カタログスペック上でリムブレーキ車の方が0.5kg軽いです。

※但し以下の条件が多少異なっているので完全に同一条件での比較はできないです。
・フレームサイズはCONTEND AR4が若干大きい⇒CONTEND2が有利です。
・CONTEND2は補助ブレーキあり、CONTEND AR4には補助ブレーキ無し⇒CONTEND AR4が有利。
・タイヤサイズはCONTEND2が28c、CONTEND AR4が32c⇒CONTEND2が有利です。

まあでも現状入門モデルで大体0.5kg程度の差はあると見て良いのかなと思います。

メンテナンスがしやすく、メンテナンスコストも安い

ブレーキでは定期的にワイヤー類やブレーキシュー(ディスクブレーキ車だとパッド)の交換が必要になります。リムブレーキ車のブレーキワイヤー交換・ブレーキシュー交換は自転車いじりが好きな人なら自分で出来るレベルですが、ディスクブレーキ車、特に油圧式ブレーキのオイル交換はかなり難易度が高そうですね。と言う訳でそれらのメンテナンスをショップに頼めばその分の工賃もかかって来るわけです。

リムブレーキ車のブレーキシューとディスクブレーキ車のディスクパッド代を比較すると、AMAZON(2023/5/15現在)でリムブレーキ車用のブレーキシューが¥1,160、ディスクブレーキ車用のブレーキパッドが\1,962とやはりリムブレーキ車用のブレーキシューの方が安いです(ぶっちゃけそれほどの差ではないですが。)ちなみにシュー、パッド共に1セットの価格なので、前後分交換すると倍の部品代が掛かります。

TIAGRA、SORA用のブレーキシューなら約800円程度で買える

輪行が楽である

特に油圧式ディスクブレーキ車だと輪行時に車輪を外した後にうっかりにブレーキレバーを引くと戻らなくなるのでパッドにスペーサーをかます必要があります。またブレーキのディスクローターも曲げないように注意を払う必要があります。リムブレーキ車には上記のような心配が無いので、リムブレーキ車の方が輪行時の心配事が少ない分気が楽ですね。

輪行しやすいのはリムブレーキ車のアドバンテージ

ディスクブレーキ車のメリット

たーぼうはディスクブレーキ車に乗ったことが無いので、あくまで実感ではなくネットで収集した情報にはなりますが、ディスクブレーキ車には以下のメリットがあります。

低い握力で制動力が得られる

ディスクブレーキ車の一番のメリットはこれでしょうね。特にダウンヒル時に長時間ブレーキをかけ続けてても手が疲れてブレーキを握れなくなることが無い(らしい)。

雨天時でも制動力が落ちにくい

確かにリムブレーキ車の雨天時の制動力は落ちますよね。ただそもそも雨天時って路面自体が滑りやすいし、視界も悪くなるので、結果的にスピードは出せないこともあって、今までキャリパーブレーキでも何とかなってきたわけではあります。でも確かにディスクブレーキ車の雨天時でも制動力が落ちにくいのはメリットですよね。

太いタイヤを履くことが出来る

個人的にこれロードバイクのディスクブレーキ車の結構大きなメリットはだと思うのですが、ロードバイク用のキャリパーブレーキだと普通最大700x28cの太さのタイヤまでしか履けないのですが、ディスクブレーキ車だとその縛りが無いので、要はフレームやリムが許容する最大の太さのタイヤが履けるわけです。

ちなみにGIANTのCONTEND AR4のフレームは38mm幅までのタイヤを許容するそうです。まあ38mmってもはやロードバイクと言えるのか?って感じの太さですが、でもこんなに太いタイヤを履けるのであれば、ロードバイクをツーリング車に仕立てることも可能じゃないかと思えてきます。自転車の楽しみ方が広がる可能性があるわけです。また太いタイヤで乗り心地重視でまったり走りたい人にもリムブレーキよりもディスクブレーキが向いています。

と言う訳で28c以上の太いタイヤを履きたい人はディスクロード車を選ぶべきでしょう。

CONTEND2純正のキャリパーブレーキ&タイヤだと空気を抜かないとホイールが外れないのは難点だと思う

今後も部品の改良が見込まれる

ディスクブレーキの関連部品は今後もどんどん改良されることでしょう。もっと高性能・安価・軽量で扱いやすくなっていく可能性があります。それに比べてリムブレーキ車のキャリパーブレーキ、ブレーキシュー、リムと言った部品は改良されていくことはほとんど期待できないでしょう。

部品の改良によってリムブレーキの軽量、安価、メンテナンス性と言ったメリットは今後縮小し、もしかしたら逆転する可能性もあります。

ロードバイクにおいては今後ますますディスクブレーキ車が主流になり、リムブレーキ車専横部品は入手が困難になっていく可能性がある

何故完成車メーカーはリムブレーキ車をやめたいのか?

完成車メーカーはリムブレーキ車とディスクブレーキ車を併売していると、フレーム、前ホーク、ホイール、ブレーキと言った部品を、リムブレーキ車とディスクブレーキ車用に2種類確保して在庫管理する必要があります。特に種類の多いフレームは在庫管理が大変で、需要を見誤るとすぐに欠品や過剰在庫を起こしてしまいます。

こんなわけで恐らく完成車メーカーは、現時点で将来性の無いとされるリムブレーキ車を早く廃止してディスクブレーキ車に一本化することで、部品の欠品・過剰在庫リスクを減らしたいと思っているはずです。

恐らくリムブレーキ車の専用部品は高級パーツから徐々に入手困難になっていくと思われる

現状リムブレーキの完成車は10万円台の入門用ロードバイクを中心に購入可能ですが、もしかしたら5年先には新車の完成車では買えなくなるのかもしれません。ただいくら新車の完成車が買えなくなったからと言っても、現実にはリムブレーキ車ユーザーはまだまだ多数存在するはずなので、ブレーキシュー、キャリパーブレーキ、ホイールといった部品はしばらくは購入出来るでしょうし、あと10年位は大丈夫じゃないかな?と個人的には願望込みで考えていますが・・。

というわけで、リムブレーキ車のブレーキ本体、ホイールと言った部品は今後段々と、高級なものから徐々に廃版になっていくのではないかと思っています。ただしベーシックモデル用の部品は需要も根強いので急には無くならないのかなと考えています(そう思いたいですね・・)。

ディスクブレーキ車なら部品が廃版になるような心配は無いでしょうし、モデルチェンジで進化して性能も向上していくことでしょう。リムブレーキ車の専用部品は今後新規開発される可能性も少ないでしょうし、部品自体が入手できるだけで御の字と言う世界になっていくと思います。

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まとめ。リムブレーキ・ディスクブレーキはそれぞれどんな人にお勧めできるか?

これからロードバイクを購入する人はリムブレーキ・ディスクブレーキのメリット・デメリットを理解した上で購入することをおすすめします。

リムブレーキをお勧めできる人

・安価で軽量なロードバイクを入手したい人
・自分で自転車を整備してメンテナンスコストを抑えたい人(もしくは整備自体も楽しみたい人)
・雨の日には自転車はほとんど乗らない人
・輪行時の心配事を少しでも減らしたい人
・将来のリムブレーキ専用部品の入手性が低下するリスクを受け入れることが出来る人
・リムブレーキ専用部品が今後改良される可能性が低いことを受け入れられる人。

ディスクブレーキをお勧めできる人

・軽い力で制動力を確保したい人、ダウンヒル中に手が疲れたくない人
・雨天時の制動力を重視する人
・28c以上の太いタイヤを履きたい人
・ある程度完成車価格が高くなっても良い人
・ある程度完成車が重くなっても良い人。
・ある程度メンテナンスコストがかかっても許容できる人
・今後ずっと交換部品の入手性に問題ないことを重視したい人
・今後も部品改良されていくメリットを重視したい人

【補足】私は何故リムブレーキ車を選んだのか?

たーぼうは、2021年の10月にGIANT CONTEND2(リムブレーキ車)を購入しました。正直、当時はロードバイク界隈でリムブレーキ車からディスクブレーキ車への移行の流れがあることはほとんど認識していなかったです。予算的に完成車で10万程度考えていたのでその予算にあう自転車がたまたまリムブレーキ車だっただけです。でも今でも自分にはリムブレーキ車が合っていたなと思います。それは以下の理由からです。

・現状リムブレーキの制動力に不満が無い。
・ダウンヒル途中で手が疲れたら停車して休めばよいと考えている
・雨天時でもスピードが出ていなければリムブレーキの制動力で問題ないと考えている。
・貧脚なのであまり完成車が重くなってほしくない。
・28cのタイヤが履ければよいと考えている。
・輪行で気を使う事が増えるのはいやだ。
・ブレーキワイヤーやブレーキシュー交換は自分でやりたいと考えている。
・多分高級パーツじゃない限りは今後10年はリムブレーキ専用部品(ホイール、ブレーキ本体、ブレーキシュー)の入手は可能と個人的には予想している
・リムブレーキ専用部品が今後改良されていく可能性が低いことを受け入れている。

ただもし、自分が今後新しい自転車を購入する場合はその時の状況次第で、ディスクブレーキ車も購入する可能性はあります。何が何でもリムブレーキ車と思っているわけではありません。

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最後までお読みいただきありがとうございました。