もし国鉄が新幹線・在来線・貨物の3社に分割民営化されていたらどうなっていたか?について考えてみました。

たーぼうです。国鉄が1987年に分割民営化されてから約35年になります。

完全に妄想レベルではありますが、もし国鉄が今みたいに地域ごとに6社の旅客会社+貨物会社の分割ではなく、全国一律の新幹線会社・在来線会社・貨物会社の3社に民営化されていたらどうなっていたか?について考えてみました。

国鉄分割民営化から約35年。国鉄型車両も首都圏ではほとんど見なくなりました。
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新幹線と在来線がライバル同士になって激しく競争していたはず

国鉄が新幹線・在来線・貨物の3社で民営化されていたら、当然新幹線と在来線はライバル会社になっているはずです。距離的に100km-200km程度の区間だと、在来線でも運賃や本数、サービス次第で新幹線に対抗できる可能性があります。

例えば、東京から高崎・宇都宮・静岡、大阪ー名古屋・姫路・岡山、と言った区間です。大阪ー名古屋間は新幹線、在来線、近鉄の三つ巴の戦いになっていたかもしれませんね。もしかしたら浜松発姫路行きの新快速があったかもしれません。(あれば18キッパーが泣いて喜びそうな列車ですね。)

また、在来線ならではの乗り換え不要なネットワークのメリットを生かして、大阪ー高松、大阪ー出雲市といった区間を乗り換え不要で直接結ぶ特急が出来ていたかもしれません。

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東海道新幹線と東北・上越・北陸新幹線の直通運転が実現していた可能性がある

現在、東海道新幹線と東北・上越新幹線は東京駅で完全に分断されていますが、新幹線会社が1つだったらもしかしたら、東海道新幹線と東北・上越・北陸新幹線の直通列車が生まれていたかもしれません。

そう考える理由は、新幹線会社としては、出来るだけ(在来線から客を奪って)新幹線区間に多く乗ってもらおうとする意思が働くと思うからです。

例えば、いま横浜から仙台に行く場合、今だとあまり新横浜から東京まで新幹線を使おうという気にはなれないですよね。単純に東京で乗り換える必要があるからです。でも新横浜で仙台に直通する新幹線に乗れるとするなら新横浜から新幹線に乗ろうかな?と考えると思います。同様に大宮から名古屋に行く場合も同じことが言えると思います。

単純に東海道新幹線と東北・上越・北陸新幹線が直通してたらすごく便利だと思うし、新幹線会社にとっては増収のチャンスになるはずです。

上の記事を読むと、国鉄時代に東海道新幹線と東北・上越・北陸新幹線はあったらしいですが、トラブル発生時の影響範囲を広げたくないとか、電力の周波数が異なるから専用車両が必要とかで、構想は実現されることは無かったようです。

ただ新幹線会社が東京で別会社に分断されなければ、直通運転実現へのハードルはかなり下がったと思います。

新幹線会社が一つだったら、盛岡発ー新大阪行きなんて列車が登場していたかもしれない。新函館北斗発鹿児島中央行きなんて変態列車があったりして(笑)
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境界駅での列車分断が無くなり、長距離列車・長距離鈍行が残っていた可能性がある。

例えば現在東海道線の普通電車は、朝晩を除いて熱海駅での乗り換えが必要ですが、国鉄時代は東京発沼津行き、静岡行き、浜松行きと言った電車が結構ありました。自社線内で自社所有の電車が折り返した方がいろいろと面倒もないのでしょう。同じようなことが境界駅である米原、下関でも起きています。もし、在来線が全国で1社のみだったら、もっと長距離の列車が残っていたかもしれないなと思います。

夜行列車も新幹線への対抗手段として、もしかしたら形を変えて生き残っていたかもしれません。

もしかしたら寝台特急も残っていたかも

国鉄時代のように同形式の車両が全国を走っていたはず

車両面では、国鉄時代のように同形式の車両が全国を走っていた光景が、民営化後も引き続き見られたと思います。確かに今のJR九州みたいに尖った個性的な車両が出現することは、少なかったでしょうね。それよりも全国のどこでも使える汎用性が車両に求められたと思います。

車両趣味的には、つまらないことになっていたでしょうね。半面車両を全国で融通することが可能であり、今よりもっと効率的な運用が出来た可能性があります。

キハ40が全国で見られたのも国鉄時代に同形式の車両が全国を走っていた名残と言える。

新幹線の新在直通は進んでいたか?

山形新幹線、秋田新幹線のように新幹線が在来線に乗り入れる形態は、新幹線と在来線が別会社だった場合、進んでいたでしょうか?

個人的にはあまり進まなかった気がします。在来線会社としては自社路線をわざわざライバル会社の軌間に合わせて改軌するメリットに乏しい気がするのですよね。

それ以前に在来線の改軌区間が、新幹線会社と在来線会社のどちらの所属になるのか大きな議論になっていたかもしません。

国鉄が新幹線会社と在来線会社に分かれて民営化されたら秋田新幹線は誕生しなかった?

超優良会社の新幹線会社と、赤字ローカル線を抱える在来線会社?

恐らく新幹線会社は超優良会社になっていた半面、国鉄の借金返済の大部分を担わされたことでしょう。

在来線会社も、東京・名古屋・大阪の3大都市圏を中心に黒字路線もあったと思いますが、反面赤字ローカル線がかなりの重荷になっていたと思われます。

メリット・デメリットを考察。

以上、いろいろ妄想してみました。それぞれ良い面、悪い面両方あったともいます。というわけで国鉄を新幹線会社・在来線会社・貨物会社の3つに分割した場合の、メリットデメリットを考えてみました。

メリット

・新幹線会社と在来線会社とのサービス競争によって乗客へのサービス向上に繋がった可能性がある。
・同型車両が大量発注されてことで効率化に繋がっていた可能性がある。全国で車両を融通することができた可能性がある。
・長距離列車が残り、境界駅での分断が今ほど起きなかった可能性がある。
・SUICA・IKOCAのように各社エリア内でのバラバラのサービスではなく、全国統一されたサービスになっていた可能性がある。
・JR北海道・JR四国のように経営困難に直面する鉄道会社が生まれなかった可能性がある。

デメリット

・地域の実情に合った個性的な車両や、地域密着型のダイヤが生まれなかった可能性がある。
・新幹線と在来線とが連携したサービスが出にくくなる可能性がある。
・新幹線会社と在来線会社間で収益面の格差が発生していた可能性がある。

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こちらも「妄想」を記事化したもの。記事数が増えれば「妄想鉄道シリーズ」としてカテゴリ化することかもしれませんw

今回は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。