東名(横浜町田ー海老名JCT間)の渋滞を大幅に緩和できる方法とは?

たーぼうです。東名(横浜町田ー海老名JCT間)は日本の高速道路でも有数の渋滞多発区間です。にもかからわず並行道路の整備予定も無いので、将来も激しい渋滞が続く事が約束されてしまっている言わば「絶望的な(救いようの無い)区間」と言えます。この区間の渋滞を、解消とまでは行かなくても大幅に緩和できる方法があります。

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何故、東名(横浜町田ー海老名JCT間)は渋滞するのか?

東名(横浜町田ー海老名JCT間)は日本で最も渋滞の激しい区間

国土交通省(平成31年・令和元年 年間の渋滞ランキング(令和2年6月8日))より引用

東名(横浜町田ー海老名JCT間)は令和元年の高速渋滞ランキングで上り線が1位、下り線でも4位にランクインしています。(それにしてもトップテン中7件で神奈川県が絡んでいるのが凄いですね・・。)

東名でも厚木~御殿場間については、現在並行して新東名が建設中(2027年度完成予定)なので、新東名さえ完成すれば渋滞は激減する希望もあるのですが、肝心の東名(横浜町田ー海老名JCT間)に並行する区間には道路が作られる計画は存在しません。

なので新東名開通後は、東名(横浜町田ー海老名JCT間)は渋滞が緩和するどころか、さらに新東名からの車も増加して渋滞が悪化する未来しか見えてこないという、絶望的な区間であります。

4本の高速道路からの車を1本の高速で受け止める為、構造的に渋滞する

なぜこの区間が渋滞するかと言うと、特に上り線は、東名、新東名、小田原厚木道路、圏央道という4つの道路から流入してくる車を東名1本で受け止める構造になっているからです。そりゃ混むのは当たり前だよねって感じです。もちろん全ての車がこの東名(海老名JCT→横浜町田)に入って来る訳では無いですが実際はかなりの割合で入ってきます。

また、下り線でも近年横浜町田ICに接続する保土ヶ谷バイパスも改良され、また横浜青葉ICからは最近開通した首都高横浜北西線から車が流入してきます。結果的に横浜町田ICの先辺りで頻繁に渋滞が発生します。

このように周辺道路では開通・改良が相次ぎ、流入量が増加しているのに対し、東名(横浜町田ー海老名JCT間)でもは改良がされつつも追い付いていない結果、渋滞ワースト区間になっている感じです。

部分的に拡幅されているが「焼け石に水」な状況

実はこの区間も全く改善されていないわけではなく、渋滞の名所だった大和トンネルとその前後では片側4車線化されました、結果的に確かに大和トンネルが渋滞の先頭になることはあまりなくなったように思います。

NEXCO中日本 企業サイト ニュースリリース2022/11/14より引用

ただ、所々片側3車線の区間が残っているのでそこがボトルネックになって渋滞が発生してしまう状況ですね。

NEXCO中日本 E1 東名 大和トンネルの概要 より引用

現状、迂回路がほとんどない

もう一つ渋滞する要因は、現在この区間の迂回路がほとんど存在しないことです。唯一の迂回路は並行している国道246号位でしょうか?でも東名が渋滞している時は国道246号がさらに渋滞してたりで迂回路には全くなっていない状況です。

将来的には、現在工事中の圏央道(横浜環状南線・藤沢ー釜利谷間)が開通すれば、圏央道→横浜横須賀道路か首都高湾岸線経由のルートが出来るので迂回路になりそうではありますが、東京方面に行くにはかなり遠回りにはなります。ただ迂回路が全くない現状よりかははるかにマシになるとは思います。ただこの横浜環状南線も工事が難航していていつ開通するのかはっきりしないんですよね・・。

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東名(横浜町田ー海老名JCT間)の渋滞を緩和する方法とは

3車線区間の暫定4車線化により渋滞が大幅に緩和するはず

この区間はとりあえず全区間片側4車線化することでかなり渋滞が緩和されるはずです。ただ現時点でその予定がないと言うことは、恐らく費用や用地買収等で実現困難な理由があると思われます。

でも実は用地買収をほぼせずに、車線数を増やす方法があります。それは以下のように車線幅と路肩を削って暫定的に車線数を増やす方法です。

車線構成の変更例
 変更前 → 路肩(3m) +車線(3.6m) x 3車線 +路肩(0.75m)=14.55m
 変更後 → 路肩(0.7m)+車線(3.35m)x 4車線 +路肩(0.45m)=14.55m

過去に渋滞を激減させた実績のある暫定車線増加

この車線幅員と路肩を削って車線数増やす方法は、過去に東名の岡崎地区等で一時期(2011-2014年頃)実際に運用されていた方法です。その時の実際の幅員構成は以下の通りでした。

土木学会 論文「東名岡崎地区暫定3車線運用による 交通状況改善効果と利用者意識」より引用

車線幅は1車線辺り3.6m→3.25mと35cm削り、路肩を3m→0.75mに減らすなどして、1車線分を捻出しています。路肩を削った代わりに首都高等で見られるような非常駐車帯を約400m毎に設置したとのことです。この方法なら完全片側4車線にするより用地買収もかなり少なくて済むでしょうし、実現に要する時間も少ないでしょう。2車線を3車線に出来たのですから、3車線を4車線にするのはもっと楽なはずです。

もちろんデメリットもあります。車線幅を削った影響で制限速度は60km/hになりました。空いてる時間は却って所要時間が増えるわけです。ただ横浜町田ー厚木間に限って言えば、デメリットよりメリットの方がはるかに大きいかと思います。(まあ暫定車線区間になっても制限速度守っている車もあまり多くなさそうな気もしますが)

渋滞は94%減少、事故も33%減少

土木学会 論文「東名岡崎地区暫定3車線運用による 交通状況改善効果と利用者意識」より引用

この時は、車線数を増やした結果、渋滞は94%も減少し、更には事故件数も33%減ったそうです。凄い効果ですよね。

個人的には東名横浜町田ー厚木間では元々の交通量が凄まじいので4車線化しても94%も渋滞が減るとは思いませんが、それでも実施すればかなり減るとは思います。

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まとめ

この東名岡崎地区の暫定3車線運用は、並行する新東名が完成するまでの繋ぎとして実施されたものです。と言うことは並行道路の計画が無い、東名(横浜町田~海老名JCT)で同様の方法を採用するのはふさわしくない(暫定運用がずっと継続してしまうリスクがある)といった考え方もあるかと思います。でもそれでも片側3線区間がボトルネックとして残る現状よりはずっとましなのではないかと思います。

本来は通常の車線・路肩幅が確保された通常の4車線運用が望ましいことは言うまでもありません。

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