相鉄・東急直通線と相鉄・JR直通線。競合する目的地はどちらの路線が有利かを比較してみた。

たーぼうです。現在工事中の、相鉄・東急直通線がいよいよ2023年3月に開業予定と発表されました。プレスリリースがこちら。実はこの路線を使って行ける目的地が、先に開業した相鉄・JR直通線で行ける目的地と複数の駅で競合します。(こういう例は珍しい?)今回は、それらの目的地がどちらの線を使えば有利なのかを比較してみました。所要時間は平日日中の速達種別で比較しています

尚、運賃面では、2022年10月21日に認可された、相鉄・東急直通線の運賃認可申請内容を反映した上で比較してみます。

また、所要時間面では、相鉄東急直通線については、3/18ダイヤ改正時刻表(2023/2/17発表)を参考にしています。(JR直通線については現行ダイヤです。)

プレスリリース資料 2022年1月27日:
「2023年3月(予定)相鉄新横浜線・東急新横浜線開業!鉄道がもっと便利になります
~神奈川県央地域及び横浜市西部から東京・埼玉に至る広域的な鉄道ネットワークの形成~」より引用
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二俣川~武蔵小杉

相鉄・JR直通線
 所要時間:約28分
運賃:536円(IC)
 本数:昼間で2本/h(朝は4本/h)

相鉄・東急直通線
所要時間:27分(二俣川-日吉間各停、日吉から急行の種別)
 運賃:576円(IC)
本数:昼間4/h(朝は10本/h) 

有利な方にをつけています。運賃では、50円差で相鉄・JR直通線が有利、所要時間と本数で相鉄・東急直通線有利となりました。ただ所要時間的にはほとんど変わらないと言った方が良いですね。二俣川からだとちょうど早く来た方の電車で選んでもいいのかもしれません。

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二俣川~渋谷

相鉄・JR直通線
  所要時間:約46分
  運賃:789円(IC)
  本数:昼間2本/h(朝は4本/h)

相鉄・東急直通線
 所要時間:45分(二俣川-日吉間各停、日吉から急行の種別)
 運賃:637円(IC)
 本数:昼間4本/h、朝ラッシュ時は10本/h

 所要時間、本数、運賃共に、相鉄・東急直通線が有利ですね。。ただ所要時間はこれまた微妙。

 渋谷駅のホームの場所的には、地下深くに潜ってしまった東横線渋谷駅が嫌な人は、渋谷駅のホーム位置的に有利なJRを選択するメリットはあるかもしれません。

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二俣川ー新宿(相鉄・東急直通線は新宿3丁目で比較しています)

相鉄・JR直通線
 所要時間:約52分
  運賃:789円(IC)
  本数:昼間2本/h(朝は4本/h)

相鉄・東急直通線(新宿3丁目で比較)
 所要時間:約52分(二俣川-日吉間各停、日吉から急行の種別、副都心線内各停の想定)
  運賃:815円(IC)
 本数:昼間4本/h、朝ラッシュ時は10本/h

相鉄ー小田急線(大和乗り換え)
  所要時間:約59分
 運賃:660円(IC)
  本数:相鉄線大和方面は昼間毎時9本。小田急大和駅は新宿行き快速急行が毎時3本

対新宿方面だと1回乗り換えを要するものの大和経由小田急線利用という選択肢も出てきます。小田急とも比較してみます。所要時間は、相鉄ー東急直通線と相鉄JR直通線がほぼ互角、運賃は相鉄ー小田急線(大和乗換)が圧勝。本数は相鉄ー東急直通線が有利と言ったところでしょうか。

相鉄ー東急直通線は直通先が副都心線が新宿3丁目という点で、特に新宿西口方面が目的地だとマイナスですよね(その場合は渋谷で山手線か埼京線に乗り換えることになる)。

二俣川ー池袋

相鉄・JR直通線
 所要時間:約56分。
  運賃:877円(IC)
  本数:昼間で2本/h(朝は4本/h)。但し、池袋まで直通する電車は朝しかありません。昼間以降は、新宿か渋谷、大崎、武蔵小杉辺りで乗り換える必要があります。

相鉄・東急直通線
  所要時間:約61分(二俣川-日吉間各停、日吉から急行の種別、副都心線内各停の想定)
 運賃:846円(IC)
 本数:昼間4本/h、朝ラッシュ時は10本/h(実際はどこかで対面乗り換えの必要がありそう)

相鉄ー東急直通線の場合、渋谷ー池袋間は副都心線経由で計算しています。所要時間は、JR直通線が有利か。相鉄ー東急直通線の場合、もし仮に日吉ー池袋間を最速達の種別になるならもっと早いんだけど、現状は日吉ー渋谷間急行、渋谷ー池袋間各停になる分時間がかかる。

乗り換えなしで行ける列車は、相鉄ー東急直通線も相鉄ーJR直通線も多くないですが、両方とも対面乗り換えで乗り換えられるので、あとは乗り換えの待ち時間が多いか少ないかで所要時間は大きく変わってきます。運賃は相鉄ー東急直通線がやや安いけど僅差ですね。

まとめ

ここまで、対武蔵小杉、渋谷、池袋で、相鉄・JR直通線経由と、相鉄・東急直通線経由とで比較してきました。行き先によって、所要時間や運賃面で、有利なルートが変わって来る印象ですが、全体的には本数の多い相鉄・東急直通線経由が有利になりそうな気がしております。JR直通線は特に日中2本という本数の少なさだと、どうしても発車時刻に合わせて行動する必要が出てきます。

となると今でも、利用が不調と言われている相鉄・JR直通線の利用者が、開業後は相鉄・東急直通線に流れて、相鉄・JR直通線の利用が今より更に低迷する可能性が危惧されますね。

個人的には、相鉄ー東急直通線も相鉄ーJR直通線も上手く棲み分けて、共存共栄してもらいたいなと思います。

参考リンク

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今回はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございました。