相鉄・JR直通線の不振要因と活性化策を考える。

たーぼうです。実は実家が相鉄線沿線にあります。高校、大学時代は通学に相鉄線を使っていました。なので個人的に非常になじみのある鉄道です。最初に相鉄・JR直通線を作るニュースを聞いたときは本当にびっくりしました。かなり時間はかかりましたがようやく完成した路線が、あまり利用されていないのは非常に残念な気持ちになります。と言う訳で今回は相鉄・JR直通線不振要因と活性化策を考えてみました。

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利用客は想定の半分以下

下記の記事によると相鉄・JR直通線の利用状況ですが、相鉄ホールディングス(HD)の2020年3月期決算説明資料によると、1日当たり利用客は2万5000人で、開業前に想定した5万6000人の半分以下にとどまっているとのことです。

2020年3月期決算説明資料なのでコロナの影響も多少反映しているとは思いますが、コロナ禍の今ではもっと少なくなっているのではないかと思われます。

この記事では沿線PRが利用者増の鍵とかおっしゃってますが、相鉄沿線は住宅地がほとんどの典型的な通勤通学路線(ズーラシアくらいか)ですので、観光面のPRは難しいんじゃないでしょうかね。沿線への住んでもらう為のPRでしたら意味はある思います。

2027年に瀬谷で国際園芸博覧会が開催されるされるらしいですが博覧会開催後に跡地にディズニーランドでも作れば、脚光を浴びると思いますが。。まあそんなことは無いでしょうね。

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不振の原因の考察

利用客数が少ない要因としては、もちろんコロナの影響は大きいと思いますが、今回はそれ以外の相鉄・JR直通線特有の要因を考えてみます。

本数が少ない

上表は羽沢横浜国大駅のJR線方面への時刻表で、相鉄・JR直通線の全電車が停車するので相鉄・JR直通線の本数を見るのに適しています。
やはり横浜市内の路線にしては昼間2本/h(朝/4本)は少ないと感じます。時刻表をチェックして時間を合わせる必要がある本数ですね。夜は1時間3本が確保されていますが、帰宅時にタイミングが悪いと20分待つのはちょっときついなあと感じます。

やはり本数の少なさが一番のネックと感じますね。

運賃が高い

実際に運賃は他の経路に比べてどのくらい高いのか?二俣川ー渋谷、二俣川ー新宿の2区間で比較してみました。

二俣川ー渋谷間で比較

経路運賃定期券代所要時間運賃差
JR・相鉄直通線経由¥780\123,61044分
横浜経由湘南新宿ライン¥600\102,27052分-180円
横浜経由東横線経由 ¥420\99,96053分-360円
※昼間の所要時間で比較。定期券代は6か月の通勤定期

JR・相鉄直通線経由と横浜経由東横線経由を比較した場合、所要時間差は9分で運賃差は360円。この差をどうみるかですが個人的には結構大きいなと思います。横浜での乗り換えを面倒に思わなければ普通は東横線使っちゃいそうな気がします。

あとはJR・相鉄直通線が空いていてほぼ座れるのであれば、高い運賃を「座れる+乗り換えの面倒回避料金」と捉えれば高くはないと思えるかもしれません。 横浜乗り換えだと湘南新宿ラインも東横線も座れない可能性はありますからね。ただ現状は運賃面がネックで利用を敬遠する人も多いのでしょう。

やはり東横線経由は安いですね。相鉄東急直通線が開通すると、(そんなに運賃が高くなければ)利用者は結構いそうな気がします。新横浜駅で新幹線に乗る需要もありそうですし。

二俣川ー新宿間で比較

経路運賃半年定期券代 所要時間
JR・相鉄直通線経由 \780\123,61050分
大和経由小田急線\650\116,32055分
横浜経由湘南新宿ライン\770\125,98057分
横浜・渋谷経由東横線
(渋谷から山手線)
\640\123,67071分
※昼間の所要時間で比較。定期券代は6か月の通勤定期

目的地を新宿にすると、JR・相鉄直通線経由の割高感は薄れますね。ただ今度は小田急と言う強敵が・・(笑)。でも実は定期代はそんなに変わらない。これだったらちょっと高いけど相鉄・JR直通線を使うかなと思えるかも。

対新宿だと時間的、料金的にも湘南新宿ラインを使うメリットはほぼなくなります。最安は東横線経由(渋谷でJR乗り換え)ですが、小田急が運賃わずか10円差で16分も早いのであまりメリットは無いですね。この場合一番有利なのは小田急で次いでJR・相鉄直通線か。

小田急との運賃差130円を「座れる+乗り換えの面倒回避料金」と捉えられれば、高くはないとも思えるかも。大和で座れないと結構きついですもんね。大和で座れなくても中央林間や町田で座れたりするののかな。

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活性化策を考えてみた。

3つの活性化策を考えてみました。

案1:相鉄・JR直通線経由と横浜経由の両方で使える定期券を発売する

現状は料金の高さと本数の少なさがネックでなかなか客が相鉄ーJR直通線に移らないのが現状かと思います。なので、 相鉄・JR直通線経由と横浜経由湘南新宿ライン利用の両方で使用できる定期券があれば、少なくとも本数の少なさはカバーできますので相鉄・JR直通線利用者も増えると思います。

ただこれも定期券の料金をどのくらいに設定できるかがカギになりそうですね。現状の相鉄ーJR直通線経由の定期券とそんなに変わらないレベルに設定できればいいのですが。

案2:直通先を品川・東京方面へ切り替える

もともと相鉄線沿線住民でJRを使う人は圧倒的に品川、新橋、東京方面への流動が多いように思います。歴史的に東海道線も横須賀線も 品川、新橋、東京方面に乗り入れてきたわけで、沿線住民の通勤先も 品川、新橋、東京方面という人が多かったと言う気がします。

と言う訳でもともと相鉄沿線からの流動が多いと思われる品川方面を直通先に切り替えるという案です。さらに鶴見付近で東海道本線に転線できるとさらに時間短縮化されて、とても利用者に喜ばれると思いますが(笑)。さすがにそれは無理でしょうかね。

この案のネックは今の横須賀線の品川~東京間を走る電車はすべてグリーン車が連結されていますが、相鉄線にはグリーン車がないので乗り入れるとホームの乗車位置等で混乱しそうではあります。

案3:成田エクスプレスの相鉄線乗り入れ

成田空港アクセスが「直通」と言うメリットを一番生かせると思うんですよね、なぜなら海外旅行者って荷物が多いから乗り換えがかなりの負担になるんですよね。

例えば成田エクスプレスが京成スカイライナーに比べて所要時間がかかるにも関わらず競争力があるのは、主要ターミナル駅から直通していることでから乗り換えの手間が少ないからですよね。スカイライナーは日暮里(あるいは上野)というターミナル立地の弱さで、主要ターミナル駅から日暮里(あるいは上野)への移動という手間が余計にかかるのがネックとも言えます。

このことから成田空港直通なら相鉄線沿線から相鉄ーJR直通線を使う利用者も一定数いると思います

うーん、ぜひ見てみたいなあ。相鉄線を走る成田エクスプレス。 コロナが収束したらやったらいいと思うんですが・・・。

この案のネックは成田エクスプレスが相鉄線に直通しちゃうと今度は横浜方面に直通できなくなる点ですね。武蔵小杉で編成を分割すれば可能かもしれませんが今度は池袋方面に行く列車が無くなっちゃう。解決策としては今の成田エクスプレスが6両編成単位なのでそれを4両編成に組みかえれば、池袋方面、大船方面、海老名方面の3方面に行く列車が合計12両で出来そうです。2回も分割を行う今時珍しい列車ができるかもしれませんね(笑)

相鉄線を走る成田エクスプレスを見てみたい気もする・・・。

まとめ

2023年3月に予定されている、相鉄ー東急直通線が開業すると、相鉄ーJR直通線の利用客が、相鉄ー東急直通線に流れて、さらに利用客が落ち込みそうな気もします。結構直通先が競合するのですよね。(特に武蔵小杉、渋谷、池袋はガチで競合します)相鉄ーJR直通線には何らかの対策を打ってほしいなと個人的には思います。

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今回はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございました。