【全曲感想】The Rolling Stones 18年ぶりのニューアルバム「Hackney Diamonds」は「Tatoo You」以来の傑作だ。

今53歳だけど、中学生のころからストーンズファンでファン歴はそろそろ40年になる。ミックジャガーの初来日公演(1988年)にも行ったし、その後ストーンズが来日する度にコンサートにも行った。

机の中に合ったミックジャガーの初来日コンサートのチケット。東京ドームが出来て間もない時だった。僕は当時18歳。サントリーにドライってあったんですね・・

僕が中学生の頃にストーンズを聴き始めた頃はちょうど「Undercover」が出た頃で、既にミックジャガーが40歳くらいだったもんなあ。1980年代当時に既に”老人グストーンズ”とか揶揄されていたのを覚えている。今から見たら全然若いんだけどね。当たり前だけど。

80年代当時はロックはまだまだ「若者の音楽」というイメージがあったと思う。60年代にデビューしたバンドだってまだ40代だったし、ロックバンドもリスナーも今よりずっと若かった。

スポンサーリンク

18年ぶりのニューアルバムはTatooYou以来の傑作だと思う

今はミックジャガー(Vo)ももう80歳。キースリチャーズ(ギター)も79歳、ロンウッド(ギター)も76歳になった。ドラムのチャーリーワッツは2021年に亡くなった。でもいろいろあったけどストーンズが今現在も存在していること自体が奇跡だと思う。さらに何と18年ぶりののニューアルバム「Hackney Diamonds」が出た!なんてことも2重の奇跡だし、そのアルバムが傑作だったことは3重の奇跡だと思うのです。

個人的には、今度のアルバムはメンバーの年齢もあるので、良くも悪くも枯れた味わい深いの円熟味のあるアルバムになるんだろうな・・?と勝手に思っていたんだけど、予想はいい意味で裏切られた。

このアルバムでストーンズは2023年現在でも、バリバリ現役かつ最高のロックバンドであることが証明されたと思う。信じられない位に素晴らしい出来なんですよ!。全12曲、それぞれの曲に個性があってアルバム内で役割があってどの曲も外せないと思う。正に捨て曲無し。個人的には1981年に出た「TATOO YOU」以来の傑作だと思うのです。ストーンズの良い所を抽出して48分に纏めたらこのアルバムになりました♪Yeah!って感じ。

全体的な印象としては音がクリアになった。ギターの音が明瞭でゴリッとした存在感がある。ミックジャガーも乗りまくって楽しそうに歌っている。そのおかけでなんだか聴いている自分も嬉しくなってしまう。プロデューサーが新しく若くなった事がいい方向に働いたのか。それにしても特にミックは怪物ですね。こんな元気な80歳他にいるんでしょうか?

スポンサーリンク

アルバム収録曲全曲がYouTube公式チャンネルで視聴可能

驚いたのは、アルバム収録曲全曲が、完全な形でYouTube公式チャンネルで視聴可能なこと。確かに所々CMは入るのはうざいのではあるけど、こんなことやるとCD売れないんじゃないかと他人事ながら心配になってしまうが。今はCDの時代でもないのだろうし。ストーンズもメンバーもお金に困っていそうには見えないしw。YouTubeの収益もすごいのかな。

スポンサーリンク

全曲感想

Angry

ギターのリフが印象的。その上に覆いかぶさるミックの高らかな声。うーん最高。アルバムトップにふさわしい。これ令和版「Start Me UP」だよね。と思った。

ミュージックビデオはいろんな時代のストーンズの映像が出てきて、あーこれはあの頃だよねとかいろいろ思い出せてファンは楽しめると思う。今の映像と思われるのは最後にちらっとしか出てこない。

Get Close (Feat. Elton John)

このギターリフもかっこいい。サビのコーラス部分がきれいで気持ちいい。なんかサビのコーラスだけ聴くとビートルズのマジカルミステリーツアーみたいだな・・。

エルトンジョンがピアノで参加してるそうだけど、ビアノはあまり目立たないですね。間奏で入るサックス、パーカッションもいかにもストーンスって感じでいいよね。ちょっと「Sticky Fingers」の「Can’t You Hear Me Knocking」を思い出した。

Depending On You

アルバム最初の2曲がゴキゲンなロックナンバーが続き、ここでスローナンバーが入って来る。曲の感じは”Till the Next Goodbye”にちょっと近いと思った。でもどっちがいいかと言えば甲乙つけがたい出来だと思う。

Bite My Head Off (Feat. Paul McCartney)

重厚なリフに負けじと絡むミックジャガーの勢いのあるボーカルに度肝を抜かれる。このエネルギー感、疾走感、高揚感。一体何なんだろう?。この人たちもしかしてサイボーグじゃないのか?唯一判るのはストーンズは未だに世界最強の一線級の現役ロックバンドだということ。

ポールマッカートニーの歪んだベースもいい。このアイデアはポールが出したのかな?一層のことストーンズに加入て欲しい・・。ついでにドラムにリンゴスターに入ってもらったら、BeatlesとStonesが合体した世界最強のロックバンドじゃないか!っとちょっと妄想してしまったw。まあリンゴのドラムはストーンズには合わなそうな気はするのだけど。

Whole Wide World

ちょっとポップと言うかファンキーというかアルバム内では変わった感じの曲。ちょっとダークな感じで始まって、サビで急に明るくなるのが印象的。ギターソロの音色も面白い。相変わらずミックのボーカルも元気で凄いです。

Dreamy Skies

前曲とは一転してスローでカントリー調な曲、この辺のアルバム内での曲順での緩急の付け方が上手いと思う。ステージでやったら様になりそうなミックとキースの掛け合いも渋い。終盤に入るミックのハーモニカも渋いです。

Mess It Up

キャッチーなディスコ調な曲。ドラムはチャーリー。ミスユーはエモーショナルレスキューに似ていると書いている人もいたけど、確かにリズムはミスユーに似ていると思う。

Live By The Sword (Feat. Elton John)

ミックのボーカルが一番スパークしている曲。特に「GONE GONE GONE GONE GONE!」とシャウトする所とか80歳でよくこんな風に歌えるなと思う。ミックは曲の乗せ方、盛り上げ方が上手いなと思う。

サウンドがまた素晴らしい。エルトンジョンのピアノもすごくいい味出していて、ギターとリズム隊と相まって思わず踊りたくなってくるような独特の乗りと言うかグルーブ感を醸し出している。そう、僕が聴きたかったのはこんなストーンズだったんだって、聴いてから思った。

これビルワイマンがベース、チャーリーがドラムじゃん。やっぱりストーンズオリジナルメンバーが揃ったら最強、圧巻と思わせる演奏ですね。個人的にはアルバムのベストテイクです。

 Driving Me Too Hard

聴いてるだけで幸福な気分になるようなミドルナンバー。ミックの声も伸びやか気持ちいい。聴いている自分まで嬉しくなってくる。本当にこのアルバムは捨て曲が無いなと思う。

Tell Me Straight

ストーンズのアルバムに必ず1曲入っている、(お約束の?)キースがボーカルのナンバー。相変わらずのいつものキース節で何故か一安心する。

“Tell Me Straight”って日本語だと「はっきり言ってくれ」って感じなのかな?これミックに対して言ってる歌なのかな・・?

キースの歌って、誠実な人柄が歌ににじみ出てるような感じがして個人的には大好きですね。ミックと掛け合いしている部分を聴くだけで個人的にはじーんと来るものがあります。ちょっと暗めのリフがこの曲に独特の雰囲気を醸していて、いいんですよね。

 Sweet Sounds Of Heaven

壮大なスケールのゴスぺルナンバー。曲調的には”You Can’t Always Get What You Want(Let It Bleed)”,”I Got The Blues(Sticky Fingers)”,”Shine a Light(Exile On Main St.)”辺りを想起させる。

ミックの歌も凄いけどレディーガガの歌も神懸かっている。スティービーワンダーのピアノも素晴らしい。なんかすごいとしか言いようがない。この曲がアルバムのラストでもいい気がする。

Rolling Stone Blues

ストーンズのグループ名の由来ともなったマディウォーターズ曲。あまりにもハマりすぎな選曲だったのでてストーンズのキャリア最後の曲という意味じゃないかと言う憶測を呼んだけど、僕もそんな気がして不安な気持ちになった。

こういう曲はミックとキースにとっては得意中の得意じゃないかな?。ミックの歌も、ギターの生々しさも、ハーモニカも雰囲気満点って感じだ。

まとめ

というわけでファンなら採点甘めになってしまうのは仕方ないと思うんだけど、それを差し引いても素晴らしいロックアルバムだと思うのです。是非今までストーンズを聴いていなかったとか、ストーンズから離れた人にも聴いてほしいな。どんな感想を持つだろうか?(あっ、SixTonesと間違えてはいけませんよw。念のため・・)

こんなに元気ならもう1~2枚アルバム出せる気がするんだけどね。ただ次のアルバムも18年後とかはやめて欲しいな・・。ミックが98歳になってしまうし僕も71歳になってしまうので。(完)

関連記事

音楽
好きなアーティストや音楽に関連する記事を掲載

最後までお読みいただきありがとうございました。