eMAXIS slim 米国株式(S&P500)の基準価格をS&P500株価指数と比較。特に2022年は変動の乖離が大きい。

たーぼうです。S&P500に連動するインデックスファンドの中でも低コストで人気の投資信託である、eMAXIS slim 米国株式(S&P500)ですが、円建てで為替の影響を受けることから、基準価格ベースでは株価指数のS&P500とは異なる値動きをします。

特に今年(2022年)は、動きの乖離が顕著だったと思います。今回はeMAXIS slim 米国株式(S&P500)の基準価格をS&P500株価指数、ドル円と比較した上で、基準価格の動きの特徴を見ていきたいと思います。

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eMAXIS slim 米国株式(S&P500)の基準価格をドル円、S&P500株価指数と比較

表示期間2022/1/1~2022/10/21

年初を基準として、eMAXIS slim 米国株式(S&P500)の基準価格をドル円、S&P500株価指数と比較したグラフを作ってみました。eMAXIS slim 米国株式は、見事にドル円、S&P500株価指数の中間的な動きになっていますね。

今年の為替がほぼ動きの無かった3月上旬までは、概ねeMAXIS slim 米国株式(S&P500)の基準価格が、S&P500株価指数と同じ動きをしていました。しかし3月半ば以降、両者の動きに乖離が出始め、ドル高の進行と共にその差がどんどん広がっていきました。

10/21現在ではeMAXIS slim 米国株式(S&P500)が年初比+1%、S&P500指数は年初比-22%で両者には23%もの乖離が生じています。この乖離の理由が年初比で+27%も進んだドル高です。

ドル高に助けられた2022年の日本円からの米国株投資

2022年の米国株は株価指数的にはかなりに株安でしたが、日本円から米国株投資をしていた日本人投資家は、ここまで損をするどころか利益が出ている人も多いかと思います。これはひとえにドル高のおかげですね。ロジック的には以下のようになっているかと。

・アメリカのインフレが進む
 →インフレ抑制のために利上げを余儀なくされる
 →利上げ自体は株価下落要因なので米国の株価は下落
 →為替面ではゼロ金利の日本と米国との間で金利差が広がりドル高が進行
 →株安のマイナスが、ドル高で相殺される

上枠のような状態が延々と続いているのが2022年ですね。

結果、日本円から米国株に投資していた日本人投資家は、円ベースでは損をしているどころか利益が出ている人も多い状況 → というのが2022年のここまでの典型的なパターンですね。

このパターンが崩れるのはどんな場面か?

ではこのパターンが崩れるのはどんな場面かを考えてみますと、まず思いつくのは「日本が利上げをする」もしくは、「米国の利上げが止まるかあるいは利下げに転じた場合」に、日米の金利差が縮まり、今度は円高が進行するようになった場合ですね。

そうなると円高だけでeMAXIS slim 米国株式(S&P500)の基準価格においてはマイナス要因になってきます。この時同時に米株高になってくれればまだいいのですが・・。まあ今のところ直ちに日本が利上げするとは考えにくいので、一番有り得そうなのは、米国の利上げが止まるかあるいは利下げに転じる事でしょうね。

もう一つは、米国の利上げが止まるかあるいは利下げに転じた時、果たして米国株の株価的には上昇するのか?下落するのか?と言う所でしょうね。どっちになるのか?判断が難しいところですね。

eMAXIS slim 米国株式(S&P500)の基準価格的に最悪なのは、円高・株安の同時進行。

eMAXIS slim 米国株式(S&P500)の基準価格においては、本当に怖いのは株安と円高が同時進行で進むことでしょうね。こうなったら株価指数以上に基準価格の下落率が上回るようになります。

コロナショックの真っ最中2020/2/20→3/91ドル112円→101円に急速に円高が進んだ時がありました。(今思えばこの時しこたまドル転しておくべきだったですね(笑))この時がちょうど米国株安と円高が同時進行だった時で、こういう場面がeMAXIS slim 米国株式(S&P500)の基準価格的には最悪の展開ですよね。この間S&P500は-18.6%に対し、eMAXIS slim 米国株式(S&P500)は-24.9%と明らかにeMAXIS slim 米国株式(S&P500)のパフォーマンスが悪いです。

それにしてもたった17日間で約-25%とか怖すぎますね・・。

尤も、この直後急速に円安が進んで3/26には1ドル111円位に戻るんですけどね。この頃の為替の動きは本当に怖いなあと思います。

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まとめ

eMAXIS slim 米国株式(S&P500)は基本的には毎月淡々と積み立てていくのに適していると思います。ETFと違って指値も出来ないし、買付注文出してから約定するまで日数がかかるので、タイミングを見て買いにくいんですよね。それでも今年は株安局面のタイミングを見計らってeMAXIS slim 米国株式(S&P500)を買い付けたことも何度かやりましたが。

為替については、株価以上に予測困難なので、そういう意味でもeMAXIS slim 米国株式(S&P500)は毎月決まった日に淡々と買い付けるのがいいのでしょうね。タイミングを見計らって買いたいとか、指値を使って買いたい人は、投信ではなく、ETF(VOO・東証2558)等を買うのが良いでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。投資につきましては自己責任、自己判断にてお願いいたします。