ピーク時の電力逼迫の原因と解決策を考える。

今年のピーク時の電力逼迫が危惧されています。政府は節電ポイントで乗り切る考えのようですが、対策としては小手先感が否めない感じがします。今回は電力逼迫の原因と解決策について考えてみたいと思います。

スポンサーリンク

電力自由化の結果、誰も電力の安定供給に責任を負わなくなってしまったのがピーク時の電力逼迫の原因

電力自由化の結果、電力安定供給の責任を負わなくなった電力会社

電力自由化という美名の陰で高まる〝安定供給リスク〟
「電気料金の最大限抑制」などを目的とし、東日本大震災の直後に始まった「電力自由化」。しかし、電力供給を「市場原理に任せる」ことに〝固執〟するあまり、〝安定供給リスク〟を高めつつある。

以前は例えば東京に住んでたら東京電力しか選択肢は無かったのだが、その代わり東京電力は地域の電気の安定供給に対する責任を負っていた。だが電力自由化で東京電力は地域独占の権利を失った代わりに電力の安定供給に対する責任を負う必要も無くなったということではないのか?

確かに電力自由化以前は電気代は割高だったけど、地震や台風でも来ない限りは電力は供給されていた。これは電力会社が地域独占する代わりに電気の安定供給に対する責任を負っていたからだ。

電力が自由化されると、電力供給に効率性が求められ結果的にピーク時供給力を落とす必要に迫られる。

電力が自由化されると、電力供給に効率性が求められるようになる。低コストで電力供給できるような価格競争力を持たないと、電力会社は消費者から選ばれなくなってしまうからだ。だから非効率な老朽火力発電所などは廃止せざるを得なくなる。

本当は電力会社は、夏場あるいは冬場のほんの1日数時間のピークだけの為に、老朽発電所を維持させるのはもったいないので出来ればやりたくないと本音では思っているのだろう。それでも昔は電力供給に対する責任を負っていたので、余力確保のために老朽発電所を維持するコストも負っていた。でも電力自由化で供給責任も無くなった。だから老朽発電所は廃止されて、おのずからピーク時の電力の余力は少なくなったのだ。だってピーク時でもない限り普段は余力=無駄=コスト競争力の低下に繋がってしまうから。

電力自由化されると効率化が求められ結果的にピーク時供給力は落とされる

ピーク時の電力逼迫の原因は、電力自由化に伴う構造的な要因。

こう考えると電力が足りない本当の原因は、電力自由化によって誰も電力の安定供給に対する責任を負わなくなったことから生じた、仕組的・構造的な要因によるものだろう。となれば現状の仕組みを変えない限り、ピーク時の供給不安は解消されないはずである。

スポンサーリンク

原発再稼働で事態は改善するか?

一時的には改善するでしょう。でも原発を再稼働したからと言っても、現在の「誰も電力の安定供給に責任を負わなくなってしまっている状況」に変わりはなく、現状の電力の価格競争力を高めようとすればするほど、ピーク時の供給力を落とす必要に迫られる構造的な問題は解決されません。

自然エネルギーは蓄電コストの低下が普及の鍵を握ると思われるが・・

自然エネルギーがもっと普及すれば電力供給不安は解消されるという考え方もあるかと思います。個人的には蓄電コストの低下が、供給が不安定な自然エネルギー普及のカギを握ると思います。

ただ自然エネルギーが普及したからと言っても、ピーク時の供給力を落とす必要に迫られる構造的な問題は解決されるわけではないと思います。

日照がないと厳しい太陽光発電

例えば今年2022/3/22に電力需要が逼迫した時は、日中全く日照が無く、みぞれが降るような寒い日でした。こんな日は電力需要が高まるにもかかわらず、太陽光発電には期待できない状況になります。

気象庁|過去の気象データ検索
気象庁|過去の気象データ検索

実は太陽光発電は夏場の高温にも弱い

下のサイトによればあと太陽光パネルは25℃で最大効率が発揮されるので夏の高温時は発電効率が落ちるそうです。太陽光発電は必ずしもピーク時に最大限働いてくれるような存在ではないようです。

夏は逆に発電量が弱くなる!太陽光パネルと温度の関係 | ヒラソル
一度導入すればそのまま長く使えると言われている太陽光パネルで… 愛知・名古屋の太陽光発電販売をするヒラソルがお役立ち情報を配信します。

結局自然エネルギーは電力需要が高い時に供給力が高まるものではないので、電気が余った時に溜めて、電気が必要な時に放出する、蓄電が必要なるのですね。現状蓄電のコストが高いのが問題なわけですよね。

注目される?重力発電

もちろん風力発電の発電量は風任せでしょうし。というわけで自然エネルギーは蓄電コストが劇的に下がらないと、電力源の主役にはなりえないだろうな・・・と思っていたら。下の記事によれば最近では重力発電なるものが注目されているそうです。

これ面白いですね。これならダムの揚水発電が無くても蓄電が出来そう。小学生でも考え付きそうなローテクで蓄電を実現するところが面白い。これなら環境問題も発生しないでしょうしね。

テクノロジーが拓く未来の暮らし Vol.32 ローテク“重力蓄電”は再エネの救世主か
再生可能エネルギーは供給量が不安定で、蓄電が不可欠だ。現在は揚水発電や蓄電池が主流だが、いずれもコストや効率に課題がある。そうした中、重力の位置エネルギーを活かした「重力蓄電」の技術に注目が集まっている。すでに実用化に向けて実証実験が進む。

まとめ

以上、まとめますと、原発の再稼働や自然エネルギーの蓄電技術向上により、一時的な電力の安定供給力向上に寄与することは間違いはないものの、最終的には「誰かが電力供給に責任を持つ仕組み」を作らない限りは、ピーク時の電力供給不安は無くならないというのが個人的な結論です。

多分政府や経済産業省は、国民から「どうしてこんな構造的な問題を抱えた仕組みを作ってしまったのか」の犯人探しの声が高まることを最も恐れていることでしょう。「節電ポイント」に国民の関心を逸らせることで、犯人探しが始まならないうちに参院選を乗り切るのが現政権の戦略じゃないかと邪推したくなる今日この頃です。

関連記事

最後までお読みいただきありがとうございました。