自宅は3階建ての戸建て。ドコモ光の1GBプランを契約してインターネットを利用している。今まで使っていたWi-Fiルーターは、OCNのIPoE対応ルーター 01という機種でOCN v6アルファという光回線のオプションサービスを契約した時にプロバイダから提供されたものを使っていた。ちなみにこの機種は非売品(店とか通販では買えない)のだけどNEC製である。
今回はこのルーターを新しいルーター(バッファロー・WSR-3200AX4B)に交換した経緯・交換作業・速度比較について書いてみた。
Wi-Fiルーター交換の理由は?
理由1:Wi-Fiのセキュリティを強化したい
今まで使ってきたIPoE対応ルーター 01は最新のWi-Fi暗号化方式であるWPA3に対応していない(WPA2には対応している)。
警視庁でもWi-Fi(無線LAN)ルーターのユーザーにWPA3の暗号化方式を使用することを推奨している。
警視庁で国民に注意喚起を呼び掛けている背景には、「古いWi-Fiルーターを踏み台にして、サイバー犯罪に悪用する」とか、「外部から不正アクセスして勝手にルーターの設定変更する」とかそういう事例が確認されているからで、やはり家の外にも出てしまうWi-Fiのセキュリティには注意を払う必要がある。古いWi-Fiルーターだと最新のセキュリティ規格に未対応なので、買い替えを検討する必要が出てくるのです。
本当はセキュリティ観点から言えばWi-Fiを使わずに有線接続のみでインターネットを使うのが一番安全なのですが、近年ではスマホ、タブレット、ノートPC等、そもそもLAN端子が端末に無く、最初からWi-Fiを使うことを前提としたインターネット端末が多く普及している為、現代ではWi-Fi(無線通信)を使わざるを得ない状況ですね。
理由2:Wi-Fi電波を強くしたい。
自宅は3階建ての戸建てで、Wi-Fiルーターは2階に設置している。Wi-Fiルーターからは2.4Ghzと5Ghzの2種類の電波が出ているのだが、特にルーターから離れた場所で5Ghzのつながりが悪い。本当は自宅内でアクセスポイントを増やしてメッシュWi-Fiを構築すれば繋がりやすくなるのだが、あまり端末を増やしたくないんですよね。端末のお金をかかるし、電気代もかかるので。
というわけで、Wi-Fiルーター1台でも3階や1階でも5Ghzの電波が安定して繋がるといいなと思ったのが2つ目の購入理由。
購入機種選定の経緯
購入機種を検討した際の条件が、以下になる
1:メーカーはNECかバッファロー製(日本メーカーが安心感がある。)
2:高速Wi-Fi規格であるWi-Fi6に対応していること
3:アンテナ4本(3階建て戸建てを1代のルーターでカバーしたい)
4:(出来れば)本体色が白を選択できること
5:価格は出来れば1万円以下で
6:最新のセキュリティ規格であるWPA3に対応していること
7:OCNのバーチャルコネクトサービス(IPoE接続)に対応している端末であること。
自分は今までNEC製のルーターばかり使ってきたので、今回もNECかバッファローがいいなと思っていた。価格コムのランキングを見てもNECとバッファローがかなり上位を占めていたので。単純にシェアの大きいメーカーの方が失敗は少ないだろうしサポートも充実しているだろうと判断した。
Wi-Fi6については、現状自宅で使っている端末でWi-Fi6対応の物は無かったから、現時点では不要と言えば不要なのだけど、例えば自分が次に買い換えるスマホは恐らくWi-Fi6対応の物になる可能性が高いだろうし、数年後はWi-Fi6対応端末が当たり前になる可能性が高いと思ったから、今回はWi-Fi6対応のルーターを買うことにした。その方が結果的に将来長く使えると思うからだ。
電波の強度についていろいろネットで調べてみると、アンテナが4本あるWi-Fiルーターの方がアンテナ2本のルーターより電波が強いとのこと。尚、廉価モデルは軒並みアンテナ2本のモデルになっている。うちの場合、3階建の戸建てをWi-Fiルーター1台で賄おうとしているので、アンテナ2本のモデルでは性能が不足だろうと判断して今回はアンテナ4本モデルを条件にした。
あとルーターは壁掛け設置する予定なのだが、うちの壁は白いので、黒いルーターだと強烈に目立つんですよね。なので出来れば白が選べるルーターが良かった。でもルーターって何で黒が多いのかな?
価格面ではルーターに1万円以上払うのは抵抗があるので1万円以下で。
あともちろんセキュリティ的にはWPA3対応は必須だけど、最近の機種ならほぼほぼ対応しているみたいだ。あと今使っているOCNのバーチャルコネクトサービス(IPoE接続)の対応端末であることも条件になる。これはOCNから対応機種の一覧表が出ている
上記を満たすルーターを調べるとほぼ1択になった。バッファローのWSR-3200AX4Bだ。と言うわけでこの機種に決定。
新旧機種のスペックを比較してみた
新旧機種のスペックを最も重要な項目に絞って比較してみるとこんな感じ。
新(交換後) | 旧(交換前) | |
メーカー・型番 | バッファロー・WSR-3200AX4B | NEC・IPoE対応ルーター 01 |
アンテナ数 | 5GHz x 4本 2.4GHz x 4本 | 2本 |
Wi-Fi速度 | 2401Mbps | 867Mbps |
Wi-Fi セキュリティ 規格 | WPA3 Personal WPA2 Personal WPA2/WPA3 Personal WEP(128-bit / 64-bit) | WPA/WPA2-PSK(TKIP/AES) WPA/WPA2-PSK(AES) WPA2-PSK(AES) WEP(128bit) |
外形寸法 | 37.5×160×160mm ※アンテナおよび突起部を除く | 33mm×97mm×146mm ※突起部を除く |
本体重量 | 390g | 224g |
消費電力 | 15w(最大) | 8.4w(最大) |
新旧モデルのスペックを比較すると、圧倒的に新(バッファロー・WSR-3200AX4B)が性能・セキュリティ面でも上回っている。
Wi-Fiルーターの電気代はいくらくらいなのか?
劣っているのは消費電力位だ。基本的に24時間運用する物なので、消費電力は低いに越したことは無いのだが、電波が強い機種の方が消費電力も大きいのでしょう。新の方は消費電力最大15wなので平均的には10w程度と仮定として1ヶ月の電気代を計算すると月194円(1kWh単価単価27円で計算)程度。旧のだと最大8.4wなので平均6w程度と計算して1ヶ月116円。両者の差は1ヶ月78円位ですね。まあこのくらい差なら新機種の性能向上・セキュリティ向上のメリットの方が断然大きいと感じる。
さて、これだけスペックに違いが出ると実際の速度はどの程度違うのでしょうか?自宅で計測してみた。
新旧ルーターの交換作業
新旧Wi-Fiルーターの交換作業だが、古いルーターを外して新しいルーターを設置。今回も壁掛けで設置。早速ONUとWi-FiルーターをLANケーブルで繋ぎ、PC側ともLANケーブルで接続してみた。
とりあえずPCも有線でインターネットに接続できたし、iPadもWi-Fi接続でインターネットに繋がった。これで一安心。
がしかし、なにやら挙動がおかしい。もともと交換前はOCNのIPoE接続サービスで接続していたのにIPoE接続環境確認サイトで調べると、まずIPv4がIPoE接続になっていなかった。調べると以下のサイトの通りに設定作業を行う必要があった。
OCNバーチャルコネクト回線に接続する方法(Wi-Fiルーター)
実際の作業手順は下記に書いてある。
手順を要約すると感じ↓
1、ルーター本体のAUTO/MANUALスイッチを、MANUALにし、モードスイッチをROUTERにする。
2、Wi-Fiルーター設定画面にログインする
3、詳細設定⇒[Internet]-[Internet]をクリック
4、「IPアドレス取得方法」で「OCNバーチャルコネクトを使用する」を選択し、画面右下の設定ボタンを押します。
設定完了後、再度IPoE接続環境確認サイトにてIPoE通信出来ているかを確認する。IPoE通信出来ている場合は、
OCNのIPoE(IPv4 over IPv6)インターネットをご利用いただきありがとうございます!
というメッセージが表示された。これでようやくIPoE接続が復活した!。
パソコン上からプリンター、NASが見えなくなった場合の解決方法は?
もう一つ問題があって、パソコンのファイルマネージャーのネットワークの画面上に、以前は表示されていたNASとプリンターが見えなくなった・・。ルーターを変えるとこんなことが起きるのか・・。
プリンターはWindowsでプリンター検索をかけても見つけてくれなかった。このままだとプリンターが出来ない状態だ。尚、不思議なことにNAS内のファイルにはファイルマネージャーからはアクセスは出来る状態になっている。
調べてみると。ルーターを交換した場合は、それまでLANで有線接続していた機器も一旦再起動しないとパソコンからは行方不明になってしまうみたいなのですね。プリンターもNASも再起動したら、これまで通りパソコンからは見えるようになったのでした。これで一安心。慣れない作業は時々焦ることが起きるもんですよね。
Wi-Fiルーター交換でどのくらい速度は速くなったのか?
ようやく、設置が完了したので速度を計測してみることにした。予め交換前のルーターの速度は計測済みなのであとは交換後のルーターの速度を測るだけだ。
新旧機種の速度を比較してみた
交換前のNEC・IPoE対応ルーター 01と交換後のバッファロー・WSR-3200AX4Bの速度を比較してみた。計測サイトはFAST.com。回線はドコモ光(OCN)のIPv4 over IPv6通信です。無線は3階建ての自宅の1F・2F・3Fでそれぞれ2.4GHzと5GHzで速度を計測してみた。尚、ルーターは2階に設定している。
測定端末はiPad(第9世代)を使用。この端末はWiFi6には未対応なので5GHzはWiFi5(IEEE 802.11ac)での計測となる。
結果は軒並み交換後のバッファロー・WSR-3200AX4Bが高速だった。もともとスペックが上なので順当な結果と言えるが、カタログスペックだと倍以上の速度差が出てもいいのに、速度差は9~79%に留まっている。設置場所とかの条件の制約等もあるのでしょうね。もしかしたら設定次第でWSR-3200AX4Bのスピードはまだまだ伸びるのかもしれない。今後は不要な設定をオフにするなど設定をいじって速度向上を図りたい。
とは言え、これだけスピードが出ていれば現状でもほぼ困ることなどないですけどね。
有線LANの時代は終わるのか?
測定結果だけ見ると5GのWi-Fi(440Mbps)と有線(590Mbps)とでは体感上の速度はもうそんなに変わらないかもしれない。まだレスポンスは明らかに有線の方がいいかな。
あと、もしかしたら5GHzが安定して繋がるのであれば2.4GHzは必要はないのかもしれない。2.4GHzは使わないのであれば停止したほうが電気代の節約になるのだろうか?
個人的には今はまだまだ有線の方が高速性・安定性・安全性で上だとは思うけど、そのうち無線(Wi-Fi)の方が速いなんて時代になるのだろうか?無線の速度向上に比べて有線の速度向上はなんかノンビリしているような気がしてならない。ケーブルや光回線の速度も永らく1Gbpsが上限の時代が続いたし。最近ようやく10Gbpsの光回線サービスも出て来たけど、まだまだ10Gはハブやマザーボードの価格が高いんですよね。まあ現状1Gbpsでもそんなに不満も無いと言えばないのですが。
でもそろそろ、苦労して見栄えの悪いLANケーブルを家中に張り巡らせる時代は終わりつつあるのかもしれないな、とも感じます。
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