2022/1/30 最新情報を反映して全体的にリライトしました
QQQとVOOとは?
・QQQは米国の株価指数であるNASDAQ100指数への連動を目指すETFです。過去の驚異的なパフォーマンスから人気のETFですね。GAFAMの比率が高いことが特徴です。
・VOOは米国を代表する企業500社にて構成されるS&P500指数の株式に投資するETFです。
今回は上記2つのETFを比較分析することでそれぞれの特徴をあぶり出していきたいと思います。
QQQとVOOの概要を比較する
ティッカーシンボル (ETF名称) | QQQ (Invesco QQQ Trust Series 1) | VOO (Vanguard S&P 500 ETF) |
銘柄数 | 101 | 507 |
経費率 | 0.20% | 0.03% |
配当利回り | 0.44% | 1.21% |
純資産総額 | 1,849億ドル(21.3兆円) | 2,736億ドル(31.5兆円) |
上位10銘柄比率 | 52.41% | 30.4% |
株価(2022/1/28時点) | $326.39(約35600円) | $406.21(約46,700円) |
QQQは2021/12/31時点のデータ(出典はINVESCO社HPより)
QQQの銘柄数はVOOの約5分の1とかなり少なく、また上位10銘柄だけで比率が52.41%と半分以上を占めていて、特定銘柄の比率が極めて高いのが特徴です。配当は低いので配当目当てで持つETFではありません。
上位10銘柄と構成比率を比較する
順位 | QQQ | 比率 | VOO | 比率 |
1 | Apple Inc | 11.65% | Apple Inc. | 6.80% |
2 | Microsoft Corp | 10.09% | Microsoft Corp. | 6.20% |
3 | Amazon.com Inc | 6.76% | Alphabet Inc. | 4.10% |
4 | Meta Platforms ‘A’ (旧Facebook) | 4.76% | Amazon.com Inc. | 3.60% |
5 | Tesla Inc | 4.24% | Tesla Inc. | 2.10% |
6 | NVIDIA Corp | 4.14% | Meta Platforms Inc. (旧Facebook) | 2.00% |
7 | GOOG Alphabet ’C’ | 3.68% | NVIDIA Corp. | 1.80% |
8 | GOOGL Alphabet ’A’ | 3.48% | Berkshire Hathaway Inc. | 1.40% |
9 | Broadcom | 1.82% | UnitedHealth Group Inc. | 1.20% |
10 | Adobe | 1.79% | JPMorgan Chase & Co. | 1.20% |
QQQとVOOの両方に掲載されている銘柄を赤字にしています。QQQもVOOも上位7位までの銘柄がほぼ同じですね。Alphabetも7位のGOOGと8位のGOOGLを足すと3位に入るので上位7位は一緒ということになります。そしてその上位7位までの企業はGAFAM+テスラ+Nvidiaとなります。今の米国で最も強い企業ですね。
異なる点は、QQQが上位10社のウエイトが52.41%とかなり高く、対してVOOでは30.4%と相対的に低く、相対的に分散されています。
大雑把に言えばQQQはVOOの銘柄数を減らした上で、上位銘柄のウエイトを高めたETFと言えます。
セクター比率を比較する
QQQは情報技術セクターと通信サービスの比重が極めて高くなっています。ちなみに情報技術セクターには、アップルとマイクロソフトが、通信サービスにはグーグルとフェイスブックが入っています。アマゾンは一般消費材ですね。
QQQはVOOと比較するとヘルスケアの比率が低く、金融に至ってはセクターに入っていないところが大きな違いです。
チャートを比較する
上の図は2020年初以降の日足チャートで、QQQとVOOを比較したものです。QQQが青、VOOがオレンジで表示されています。QQQの方がボラティリティが高く全体的に成長率が高いが特徴的だと思います。但しボラティリティが高い分、調整時の下落幅も大きい傾向があり、特に2022年に入ってからからり下落しています。
VOOは動きがなだらかでコロナショック後の着実に上昇していく動きには好感が持てますね。持っていてストレスが相対的に低いのはVOOですね。
こちらは2011年以降の週足チャート。特にコロナショック後に凄まじい勢いで上昇していることがわかりますね。ただ「山高ければ谷深し」と言った感じで、上昇幅が大きければ下落幅も大きくなりますね。2022年1月の下げはなかなか厳しいものがあります。
コロナショック時の値動きを比較する
QQQ | VOO | |
ショック前最高値日 | 2020/2/19 | 2020/2/19 |
ショック前最高値 | $237.47 | $311.59 |
ショック最安値日 | 2020/3/23 | 2020/3/23 |
ショック最安値 | $164.93 | $200.55 |
ショック下落率 | 30.54% | 35.64% |
ショック前水準に戻った日 (終値ベース) | 2020/6/5 | 2020/8/21 |
コロナショック時の動きもQQQの圧勝ですね。コロナショック前の最高値を6月上旬に超えているなんてすごいですね・・・下落率もVOOに比べて約5%も低いです。やはり2020年はQQQの年でしたね。
まとめ
コロナショック以降、驚異的な勢いで上昇してきたQQQですが、2022年初からは一転して大きく下落しています。やはり投資商品の大前提として大きく上昇するものは大きく下落するわけです。(このような投資商品をよく”ボラティリティが高い”とも言いますね)
「上昇率は高いけど下落幅が少ない」なんて”都合の良い”投資商品は無いのですね。こんな謳い文句の投資商品があったら詐欺を疑うべきかと思います。
QQQは個人的には好きなETFの一つですが、今年(2022年)はS&P500インデックス投信を定期的に買い続ける一方で、QQQは指値を使って、なるべく安値を拾っていきたいなと思います。2022年1月現在、アメリカのインフレや本格的な金利上昇への動きを受け、株価がナーバスに上下していますが、できるだけ落ち着いて、”退場をしない投資”を心がけたいと思います。
関連記事
今回はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございました。投資につきましては自己判断、自己責任にてお願いいたします。