日本の物価が上昇しない理由がわかった。

たーぼうです。以前から日銀があれだけ金融緩和しても、どうして日本の物価が上がらないのか不思議に思っておりましたが、腑に落ちることが書いてある記事がありましたので紹介します。

スポンサーリンク

上昇し続ける米国の物価と停滞し続ける日本の物価

出典:IMF World Economic Outlook Database

上記の記事を読んで実際に日米の消費者物価指数を比較してみました。米国の消費者物価指数はほぼ一直線に上昇していますが、日本の物価は1990年代くらいまで緩やかに上昇したもののそれ以降ほぼ横ばいです。米国の物価は40年で3倍以上になっているのに、日本の物価は1980年からで1.36倍程度。そもそも1990年代後半以降はほぼ横ばい。

スポンサーリンク

サービス全体の物価上昇率が低い日本

意外にもテレビ、電話機器や玩具、婦人洋服といった品目は日本より米国のほうがデフレになっている。結果、モノ全体の物価上昇率は、日本のマイナス1・2%に対し、米国はマイナス2・2%と、後者が下回っている。

しかしながら、「モノ全体」とあわせてレストランでの外食代や家賃、大学の学費などの「サービス全体」も加えた物価上昇率を見ると、状況は逆転する。

この物価上昇率では、米国はプラス2・3%だが日本はプラス0・2%しかない。

マネー現代 日本人は知らない…なぜか日本の「物価」が上がらない「意外すぎるワケ」 より引用

以外にも物の値段は米国の方がデフレになっているが、日本はサービス全体の物価が上昇しないので結果的に物価が上がらないということですね。

特に重要なのは、上下水道料・保育所保育料・介護料・大学授業料・病院サービスなどで、日本ではこれらの領域における政府の価格統制が著しく強い(同期間における上下水道料の上昇率は米国が3・7%、日本が0・4%。保育所保育料が米国が2・7%、日本がマイナス0・8%)。

マネー現代 日本人は知らない…なぜか日本の「物価」が上がらない「意外すぎるワケ」 より引用

確かに水道・電気・ガス料金も変わらない印象ですね。むしろ、自由化で下がっているかも。あと鉄道とか郵便、宅配の料金もあまり変わらない印象、消費税分だけ上がっている感じ。外食費は海外に行ったときにびっくりしますね。アメリカのサンノゼとかメルボルンとか出張で行ったことがあるのですが、外食すると日本円で1000円以下ではまずまともな食事は出来なかったです。

価格統制というと、読者諸氏の記憶に新しいのは、菅義偉首相の要請によって、携帯電話の大手キャリアが’21年3月から通信料の大幅な値下げをおこなったことだろう。

マネー現代 日本人は知らない…なぜか日本の「物価」が上がらない「意外すぎるワケ」 より引用

そういえばたーぼうは去年までKDDIの株を持っていたのですが、菅総理の携帯料金値下げ圧力で業績が悪化するとみて売ってしまったことを思い出しました。株主だったときには「菅総理は余計なことをするなよ!」と思っていましたね(笑)。

スポンサーリンク

結果的に日銀が金融緩和しても物価は上がらなかった

自民党は2013年以降デフレ脱却を掲げ、日銀がそれに答える形で異次元の金融緩和を行ったわけですが、サービスの価格統制のおかげで全然物価が上がらなかったわけです。物価上昇率2%を目標にするのであれば本当はサービスの価格統制に手を付けるべきだったのでしょう。でもこれをやると国民が反発することが目に見えていますから怖くてできなかったのでしょうね。

そもそも物価が上がって喜ぶ国民なんていないと思うんですよね。でも給料が上がれば(特に現役世代の)国民は喜ぶと思います。なので「デフレ脱却!」と言わないで、「所得を増やす!」とか言えばいいのになって思っていました。

日本はリタイヤ天国なのかもしれない

でもこのサービスの価格統制って本当に日本の為になっているかは微妙な気がします。このせいで特にサービス系の企業の収益が低迷したり、サービス業従事者の所得が伸びないってことも実際にはあるのではないでしょうか。

低価格で高いサービスが得られる上に、物価も上昇しない日本。結果的に日本はリタイヤした人にとっては天国のような国になっているのかもしれません。これは多分政治がそっちのほうに向いている(向きすぎている)という面もあるのでしょうね。

今回は以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。