たーぼうです。2022年5月25日発売のアルバム「Life Song」を発売日前日にCDで入手して聴いてました。ある程度聴き込んだので、全曲の感想を述べてみたいと思います。
Disc 1
Disc1はオリジナル曲主体で構成されていますが、1はあえて言えば民謡のカバーと言ってもいいかもしれませんね。7は、稲作ゲーム「天穂のサクナヒメ」に使われた曲、また9~11は全て前作「古今唄集~Future Trax Best~」に入っている曲ですがアレンジはかなり変化しています。オリジナル曲は朝倉さやさんとsolayaさんの共作になっている曲が結構多いのですね。
アルバム「Life Song」のタイトル通り、オリジナル曲は「生きる」「人生」「生命」といったテーマの曲が多く、一種のコンセプトアルバムともいえるのかもしれません。。
以下、曲ごとに感想を書いてまいります。
1
最初聴いたとき???となりました。あれっ?もしかしてパソコン壊れた???みたいな。最初は家族と思しき方の会話から入って、途中からさやさん(当時2歳後半位だそう)の民謡「紅花摘み唄」の歌唱が始まります。歌手朝倉さや誕生の源ともいえる貴重な音源ですよね。確かに音程は拙い部分があるけどリズムはしっかりとれてるし、2~3歳でこれだけちゃんと歌えているのは凄いですよね。
ライフソング -Life Song-
アルバムタイトル曲。前作の「AGRIMONY ~旅さあべ~」に連なる雰囲気も感じる。「1」を聴いた後だと超絶歌が上手く聴こえますね(笑)20数年分の進化を感じます。アコースティックギターの効いた爽やかなアレンジと優しくのびやかなボーカル。曲全体に漂う桃源郷のような雰囲気。最後「生きる」という言葉で締めくくるところとか印象的で、アルバム全体のコンセプトを表した曲になっていると感じました。
ニワトリ
テンポのよいかつ爽やかな感じの、タイトル通り朝を連想させる曲ですね。この曲もアコースティックギターの存在感が強いのが爽やかな曲の印象に繋がっていると感じます。特にサビの部分の高揚感が素晴らしい。
歌詞は、未知の世界に飛び込んでいくことのワクワク感を、新しい朝を迎える事になぞらえたポジティブな内容になっています。今まで誰もやったことのないことに(ワクワクしながら?)飛び込んできた朝倉さやさんだけあって歌詞に説得力を感じます。
山商
さやさんの母校「山形市立商業高校」のことを山形では「山商」と言うのですね。こういう学校名の略し方ってその土地ごとにいろいろありますよね。
おそらくとても充実した高校生活を送られたのでしょうね。卒業・入学(出会い・別れ)を連想させる「桜」と建て替えられる校舎と高校時代への思いを感じます。
ラ・フランス ~ おフランスを添えて ~
一聴すると、フランス語で歌われているボサノバの曲にしか聴こえないのですが、実は山形弁で歌っているという。でも山形弁を理解できないたーぼうには歌詞が全くわからない(笑)。遊び心を感じます。だれか標準語に訳してほしいのですが・・。
音楽的にはアレンジが秀逸でオシャレ。曲のメロデイも良いです。ちょっと気取った感じで歌うボーカルが楽しい。朝倉さやさんとsolayaさんのコンビならどんなジャンルの音楽でも出来そうな気がしますね。間奏部分の「ボンジュール」「グッモーニング」等のセリフもなんかもコミカルで面白いですね。
晴れた休日の朝に、ゆっくり朝食(洋食が合うと思う)を採りながら聴きたくなるような。そんな感じの曲です。
下北沢
この曲聴いてたら、そういえばうちの近所のブックオフも無くなったなあ。なんて思い出したりしてました。
一見地味に聴こえる曲ですがスルメ曲ですね。何回か聴いていくうちにじわじわと良くなっていく。歌詞は「上手くいくことやいい事ばかりじゃないけど、試行錯誤しながらちょっとずつ進んで行こう」というメッセージを感じます。
ヤナト田植唄・巫 かみなぎ -Future Trax-
素晴らしい。こういう曲で彼女以上に歌えそうな人が思いつかないです。心を鷲掴みにされるというか、感情ほとばしるというか。古来から受け継がれる日本人のDNAを呼び覚ましてくれるというか。なんだかよくわからないのですが自分が日本人でよかったなあなんて思ったりして。
この曲を外国人が聴いたらどう感じるのかな?自分と同じように感動したりするのだろうか?
amazonのこの曲のレビュー読んでたら、ゲーム(天穂のサクナヒメ)をやって聴くとさらに感動するという声が多くありましたね。自分もやってみようかと思ったけどPS4も任天堂switchも持ってないんだよな・・。Windows版も出してほしいです・・
生きる
良いですね。歌に気持ちが入っていて感情を揺さぶられます。「さばの味噌煮」・「やさしい応援歌」・「未来へ送り物」にあたりと近い雰囲気を感じます。特にサビのメロディの高揚感が素晴らしい。
最上川舟唄 -Life Song-
Future Traxと比較するとリズムが抜けて、宇宙を浮遊しているようなサウンドに包まれる感じ、神々しい感じが増幅されていると感じました。
からめ節 -Last Song-
この曲のアレンジも凝っていますね、より民族音楽的な方向性が強くなった感じがします。特に民謡部分の歌唱はさすがはさやさんですね。
おはら節 -Life Song-
強めのリズムと乾いたギターが都会的でおしゃれな雰囲気をかもし出してます。ここまでくるとベースが民謡とは思えない。正に現代音楽と民謡が融合してますね。
グラシアス・メヒコ
恐らくメキシコに行った体験が歌詞のベースになっています。さすがメキシコだと飛行時間長いですよね。そういえば行き帰りで飛行時間が違う理由が書いてあるサイトがありましたよ。
ギターの奏法が独特な哀愁を醸していて、こういう所から「メキシコ風」な感じが出てくるのでしょうね。歌のメロディいいですよね。ちょっとエモーショナルな歌い方もいいです。たーぼうはメキシコには行ったことないけど気分をメキシコに連れて行ってくれる曲ですね。ブリトーが食べたくなるみたいな・・。
ドンドンパーンカレー
声に独特なエフェクトがかかっていて、不思議な雰囲気の曲。ジャンルで言うとなんだろう?すこしロシア民謡とかインド音楽のエッセンスが入っているのかもしれない。音楽の引き出しをたくさん持っているからいろんな音楽を融合させてこの曲みたいな新しい感覚の音楽が生まれるのでしょうね。
それは色んなスパイスを融合させて新しいカレーを作るのと似たようなことなのかもしれない。この曲を聴きながらそう思ったりもしました。
ハムスター(伝説生物)
「あれっ?ツチノコとかネッシーは伝説生物だけど、ハムスターは実在生物じゃないのかな」と思ってしまいましたが、そういう話をするのは野暮ですよね(笑)。さやさんハムスター飼い始めたのかな?ツアー中の世話とかどうするのかな?とかどうでもいいようなことが気になってしまいました・・w。
この曲も不思議な雰囲気がありますね。サイケな感じというか。ビートルズのリボルバーとかマジカルミステリーツアーあたりに通じる雰囲気も感じるのですよね。新感覚と言うか新境地と言うか今までやったことのない事に挑戦していく姿勢。素晴らしいと思います。
Disc 2
こちらはカバー曲で構成されています。朝倉さやさんって僕より20歳以上若いと思いますが、意外に自分を含めた50代にもストライクな曲も多いですね。昔の曲でもこのくらいメジャーな曲になると若い人でも聴く機会があるのかもしれないですね。
飾りじゃないのよ涙は
中森明菜さんの代表曲の一つ。名曲ですよね。井上陽水さんの曲も最高ですが、歌詞に出てくる「私」の、「ちょっと孤独感を感じさせるような、普通の人じゃない感」「ちょっとぶっ壊れかけている感」がしゃれてて素敵だと思います。
アコギの使い方がカッコイイですね。サビに行く前まではリズムを強調したスカスカなサウンドだけどサビの所で一気に爆発するようなメリハリ、抑揚がいいなと思います。
異邦人
1979年に大ヒットした久保田早紀さんの名曲。今までたーぼうはこの曲の歌詞をあまり理解していませんでしたが、下のサイトを見てようやくわかりました。
原曲はもっとオリエンタルなサウンドでしたが、朝倉さやバージョンは「ファンク」ですね。リズムの強度が半端ない感じです。サビの部分で一転してリズムが抜けて、2番目が始まるとまたファンクサウンドが始まる瞬間がカッコイイですね。
なすてだべ
MV見てて、てつさんの横顔が本当に山形県の形に似ていたのがウケました。さやさんの歌が上手い(特にこぶしを利かせた所とか)のは当然として、意外と言っては失礼ですがテツandトモさんも歌上手いですよね。
島唄
1992年the boomの大ヒット曲。僕らの世代だと知らない人はいないのでは?と思うくらいの超有名曲ですよね。
朝倉さやバージョンは歌唱を堪能できるような落ち着いたアレンジになっています。原曲は後半かなりアップテンポになってましたよね。この機会に改めて原曲と聴き比べてみるのも面白いですよね。
島人ぬ宝
2001年のBEGINの曲、島唄に続いて沖縄を感じる感じる曲です。たーぼうは、あまり原曲を聴いたことが無かったのですが、こうして朝倉さやバージョンで聴いてみると良い曲ですね。
さよなら大好きな人
2000年の花*花の曲。朝倉さやバージョンでは山形弁で歌っています。たーぼうは山形弁はあまりよく分からないのですが、でも方言の方が気持ちが届く距離感が近い感じ、あと温かみが増す感じがします。
時の流れに身をまかせ
1986年のテレサテンの大ヒット曲。さすがにこの曲は知っている。でも朝倉さやバージョンで改めて聴いてみると感動しますね。この曲こんなに良い曲だったんだなって今更思います。
童神~ヤマトグチ~
沖縄の歌手、古謝 美佐子さんの1997年の曲。夏川りみさんもカバーしているのですね。こういう曲を朝倉さやさんが歌うとさすがというか真骨頂ですよね。アレンジも最小限で、特に前半は独唱に近い状態ですが、歌だけでも引き込まれてしまう力が半端ないというか。圧倒的な力を感じます。
まとめ
全22曲。素晴らしいアルバムだと思います。
このアルバムを聴いて自分も今この時間を大切に生きようと改めて思いました。
「Life Song」をアルバムのテーマにしたのも、やはりsolayaさんががんと闘病中であることと決して無関係ではない気がします。でも本当は誰だって自分の余命が何年なのかなんてわからないですよね。
※2022/9/18追記
solayaさんは2022/9/11にお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。solayaさんにとって「Life Song」は遺作になりました。
【大切なお知らせ】
— 朝倉さやオフィシャル (@natsunoyama) September 17, 2022
かねてより病気療養中でございました
朝倉さやプロデューサーsolayaが
癌のため令和4年9月11日に41歳で永眠いたしました。
生前に賜りました御芳情に対し厚く御礼申し上げます。
今後もsolayaの遺志を受け継ぎ活動を続ける朝倉さやを応援いただけますよう心よりお願い申し上げます pic.twitter.com/L0Zp1w1FHX
関連記事
今回はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございました。