個人的に新NISA(NISA枠の拡充、非課税期間恒久化)って、岸田政権の(数少ない?)功績だと思っているのですが、これに批判的なタレントさんや経済評論家も結構いらっしゃるのですね。今回はこれらに対して個人的な感想を書いていきたいと思います。
小倉優子さん「国が推すNISAには裏があるんじゃないか」について
裏とは何か?
「裏」って何なんでしょうね?。今回の新NISAって基本的には旧NISAに対して枠の拡大と非課税期間が無期限になるだけなので、投資家にとってはむしろ良い話でしかなく、「裏」なんか有りようがないと思うのですが。利用するしないは自由なんだし。
「政府は新NISAへの投資を促すことで国民を暴落に巻き込もうとしている」とでも考えているのかな?もしそうだったとして、結果的に破産者や貧困者が増えたら結果的に政府も困ることになるんですが・・・。
新NISAの政府の意図を個人的に考察してみると・・・
ひと昔前に「老後2000万円問題」がクローズアップされましたが、政府の今回のNISA枠の拡大の意図は、「今後、社会保障費を増やすにも限界があり、年金だけでは今よりさらに老後生活は厳しくなることが予想されるので、国民に早いうちから資産運用をやってもらうことで老後に備えるための資産形成をしてほしい」という意図があるのかなと個人的には考えています。
年金だけでは暮らしていけない高齢者が増えると、結局国は生活保護を支給する必要があります。なのでそうなると結果的に国も困るんですよね。だからこそ資産運用で老後に備えて欲しいということではないかと。
NISA枠を拡大すること自体は国としては税収減要因になるので個人的には良く決断したなと思います。
リーマンショック時の痛い経験が発言のきっかけ?
小倉優子さんがこういう発言をしたきっかけは、ご自身のリーマンショック時に株で痛い経験をされたことがあるみたいですが、多分恐らく銘柄選定でミスったか、暴落時に狼狽売りしたかのどちらか(あるいは両方か)でしょうね。
もしまともな株を持っていたのであれば、暴落に直面したとしても、そのまま気長に持ち続けていれば、いつしか含み損も無くなってたかと思うんですけど。多分待てなかったのでしょうね。
「放ったらかしにしてても(大丈夫)とか夢だとか、そんな甘い話は世の中にない。永久っていう言葉も信じていません」
小倉優子さんのコメントを引用
これは確かにそういう面もありますが、適切な投資対象を選べば、「ほったらかし投資」が実を結ぶ可能性は十分あると思います。(まあ適切な投資対象の選択自体が難しいことは確かですけどね)
確かに、新NISAを機に投資を始める方は、最も無難とされる「オルカン」「S&P500」への投資でも、暴落時には一時的に30~50%の下落があり得ることを普段から覚悟しておくべきかとは思いますね。
コロナショックでは株価の戻りも早かったですが、過去には暴落前水準に戻るのに数年を要したこともありました。
「放ったらかし投資」にも忍耐が要るものです。暴落時に含み損を抱えた挙句に怖くなって安値で手放してしまうのが、一番やってはいけない「投資初心者あるある」なのです。
もし暴落前の高値圏で売れなかったのであれば(多分僕を含めてほとんどの人がそうなる思いますが)、腹くくって我慢して持ち続けるのが最善かと思います。もし気持ちに余裕があれば安い時に買い増せると更にいいですね。
森永卓郎さん「少なくとも今、新NISAは絶対にやってはいけない」
結局のところ未来は誰にも分からないと個人的には思う
僕、未来の株価を「絶対こうなる」って断定はできない思うんですよね。もちろん去年順調に上昇したこともあり、今の株価水準は去年よりかは高いです。確かに今の株価はバブルでそのうち弾けて暴落が起こるという可能性もあると思います。でもそうならない可能性だってあると思います。結局のところ未来は誰にも分からない。
わからないなら未来の株価の動きなんか予想しない方がいいと僕は思います。だから淡々とインデックスファンドを積み立て投資する方法が推奨されているのですよね。
暴落する根拠は「今が1920年代に似ているから」だそうですが、そりゃ共通点を探せばいくつかあるでしょうね。でも違う点だってあるでしょうに。
「暴落後に一括投資を!」の難しさ
森永さんはまた「暴落した後に一括投資で勝負をかけるべき」みたいなことをおっしゃってますね。株価の底を当てるなんてプロでも難しいと思うのですが、こういう難易度の高い投資法をごく普通の一般国民に勧める事自体を疑問に感じますけどね。
暴落を待つ投資法で一番怖いのは、いつまで経っても暴落が起きずに投資する機会が来ないリスクが有ることと、暴落が来ても株価の底がわからずに暴落途中で買ってしまったり、気づいたら株価が上がり始めていて投資タイミングを逃してしまうことです。
本当暴落時の投資タイミングって難しいんですよね。
荻原博子さん「話題の新NISA、実は「落とし穴」だらけ…」
新NISAのメリットをさらっと書いて、コラムの大半をデメリットの説明に費やしていますが、正直NISAを活用することで得られるメリットに対してデメリットがあまりにも小さい印象を受けました。
却ってNISAってこんなデメリットしかないの?やっぱり超優秀じゃない?って個人的には改めて思っちゃいましたけど。
正直書かれているデメリットがあまりに小さい印象。
荻原博子さんの挙げる新NISAのデメリットを箇条書きしてみますね
1,ナンピン買いが難しい
2、損益通算が出来ない
3、損失繰り越しが出来ない
4、1人1口座しか持てない
5、「長期投資」はいいものだという思い込みには、気をつけたほうがいい
上記に対して個人的に感想を書いてみました。正直NISAで得られるメリットに比べれば、どのデメリットも小さいなと言うのが個人的な感想です。
1、ナンピン買いが難しい
ナンピン買いは株が含み損になった時に安く買い増すことで取得単価を下げて、その後上昇した時に含み益が出やすくすることですが、枠があるのでナンピン買いすると枠に収まらない可能性があるとおっしゃってます。もちろんそりゃそうですけど、枠が設定されれば必ずこういう問題は起きるわけです。
メリットと比較すると正直デメリットとしてはかなり小さいとしか思わざるを得ないなあ。
2、損益通算が出来ない 3、損失繰り越しが出来ない
損益通算や損失繰り越しが出来ないのがデメリットとおっしゃってます。でもそもそも損益通算や損失繰り越しって何の為に行うかと言うと節税のために行うものですよね。これに対してもともとNISAは非課税なので損益通算や損失繰り越しとか、最初からやる意味無さげな気がするのですが。
もしかして例えば「NISAの損失を一般口座の利益と合算して節税するようなことが出来ない」といいたいのかな。どうしてもそういうことがしたいなら無理してNISA口座運用しなくてもいいと思いますけどね。
4、1人1口座しか持てない
1口座だけでも、枠が全体で1800万円と大幅に増えたので、多くの人にとって枠の大きさとしては十分に感じますけどね。あと複数の証券口座を持つ必要ってほとんどの人には無いと思いますけどね。
SBIとか楽天、マネックスあたりの大手ネット証券の口座をどれか1つ持てば、(よほどマニアックな投資商品を買いたいと思わない限りは)ほとんどのニーズに対して事足りるかと思いますけど。
5、「長期投資」はいいものだという思い込みには、気をつけたほうがいい
投資の本質は「売り買いで機動的に儲けていく」こととおっしゃってますが、「長期投資は本質ではない」と言いたいのかな?。
個人的には特定の投資手法を「本質だ」といって、他の投資法を否定するのはいかがなものかと思います。個々の投資家が自分に合った投資手法を、自分がリスクをとれる範囲で行うのが理想じゃないかと思うのですが。
もちろん、どんな投資商品でも長期で持てば必ず儲かるというものではありません。「何をいくらで買うか」の選択が非常に重要になってきます。また未来は誰にもわからないので、今後10年20年でベストのパフォーマンスが出る投資商品は何か?なんてもちろん誰にもわからない。投資って難しいものであることは確かです。
まあ、NISAは仕組み的に短期投資に向かないのは事実ですね。成長投資枠が年間240万円上限に押さえられているので、特にデイトレとかしてたらアッと言う間に枠が埋まってしまいますよね。
まとめ
NISA歓迎派?の僕からすると上記3人のご意見には否定的な見方になってしまいますね。もちろん投資って甘くないし、短期で簡単に儲かるものでもないのも確かです。
でも新NISAで新たに投資を始めた人ってそんなに多いのでしょうかね?個人的には今まで一般NISAやつみたてNISAをやってた人が、新NISAで枠が増えたのを機に投資額を増やしたケースが多いのでは?思っているんですけど。
まあ、もし新NISAで新たに投資を始めた人がいたならば、最も無難と言われているオルカン・S&P500の積み立て投資からスタートすることをお勧めします。
恐らく、今まで元本保証されている普通・定期預金等しかやっていなかった人が、投資した金融商品が元本割れしたらかなりショックを受けるでしょうね。最も無難と言われているオルカン・S&P500でも、最初はボラティリティの高さにびっくりすると思います。
でも本当は下落で過度に悲観的になることもよくないですし、上昇で過度に楽観的になるのもやはり良くないと思います。なのではじめは少ない額で積立をはじめて、株価の変動にも慣れてきたら過ごしずつ投資額を増やしていくのが理想かなと思います。
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