都内新築戸建への「太陽光パネル」義務化に疑問。特に23区内は太陽光パネル設置に向いていないと思う理由。

たーぼうです。東京都は全国に先駆けて新築戸建てへの太陽光発電を目指すようです。ただ個人的には東京都の、特に23区内は全国の中でもかなり戸建ての太陽光発電パネル設置に向いていない地域だと思います。そんな地域でありながら全国に先駆けて太陽光発電パネル設置を義務付けようとする動きには疑問を持たざるを得ません。今回はその理由を述べてみます。

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狭小戸建てに北下がりの片流れ屋根が多い理由

都内の狭小住宅に多い北下がりの片流れ屋根の住宅

たーぼう宅は、東京都23区内の戸建て住宅ですが、北下がり(南から北に向かって屋根が下がっている)の片流れ屋根になっています。

これには理由があって、限られた敷地内で、最大限に床面積を確保した3階建て戸建て住宅を建てようとすると、日影規制・北側斜線規制によって、 結果的に北下がりの片流れ屋根が最も床面積を確保できるからです。(実際には土地の用途地域によっても規制内容が変わっています。)

この理由で、たーぼう宅周辺でここ10年以内に建った4件の戸建ては、設計やハウスメーカーがすべてバラバラにもかからわず、全てこの北下がりの片流れ屋根になっています。

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都内の特に23区内は地価が高い為、最近の新築戸建ては結果的に100㎡以下の敷地に建てられる場合が多いのですが、この場合かなりの割合で北下がりの片流れ屋根が採用されているのではないかと思います。

本当は戸建てでも一定以上の敷地面積がある場合や、マンション、アパート、学校、公共施設など、一定面積以上の屋根面積が確保できるところから義務付けるべきではないでしょうか?

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実は北下がりの片流れ屋根が一番太陽光発電パネル設置に向いていない

で、厄介なのが、この「北下がりの片流れ屋根」が、日射量が少なくなってしまうことから、太陽光発電パネル設置に一番向いていないのですよね。以下のサイトには「北向きの屋根に太陽光発電は設置しないほうがよいでしょう。」とはっきり書いています。メーカーのほうで設置を禁止している所もあるそうです。私も同感です(笑)。

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今後都内の特に23区内の新築戸建てはどうなっていくのか?

都内でも、多摩地域とか、伊豆諸島なら地価も安いので、ある程度は家の敷地面積も取れるでしょう。そんなエリアなら北下がりの片流れ屋根にしなくても床面積は取れるでしょう。太陽光発電パネル設置を義務付けるならこういう地域ならまだわかるのですが。

問題は都内23区内の狭小地で一戸建てを建てる際ですね。太陽光発電パネル設置を義務付けると、施主や設計者は、北下がりの片流れ屋根に無理やり非効率な太陽光発電パネルを設置するのか、あるいは、3階やロフトと言ったものを諦めて、太陽光発電パネルを設置に適した南向きの屋根スペースを確保するのか、悩ましい選択を強いられそうで、なんだかお気の毒な感じも致します。

まあでも、将来もしかしたら、うまく太陽光発電パネル設置に適した南向きのの屋根スペースを確保しながら同時に3階やロフトもちゃんと確保できるようなグッドアイデアが出てくるとか、あるいは日影規制・北側斜線規制が緩和されて建てやすくなるような動きも出てくるかもしれませんが。

本当は太陽光発電パネルに設置に適したエリアから義務付けすればいいのに。

太陽光発電に向いている地域と県別発電量一覧・地域別の季節変動グラフ
このページでは、実際の稼動発電所における発電量を記録したデータベースを使い、季節や地域における発電量の比較をご案内しています。都道府県別の発電量ランキングも掲載しています。

上のサイトに都道府県別で発電量比較ランキングがありました。発電量の1位が山梨県、2位が長野県です。日射量が多く、積雪が少なく、また気温が高いと発電量が低下するので夏暑すぎない場所が良いようです。ちなみに東京都の発電量は27位と全国平均をやや下回っていて、日本国内においては必ずしも太陽光発電パネルに設置に適したエリアではありません。

このデータからすれば、山梨県、長野県から設置を義務付けるのが一番理にかなっているように思います。これらの地域なら東京都より地価も安いから狭小地に無理やり住宅を建てるケースも少ないでしょう。

こういう理想的な太陽光パネルの設置環境は都内23区内だとなかなかないのが現状。

こうしてみると新築一戸建てへの太陽光発電設置義務化は、少なくとも東京都が全国に先駆けて採るべき施策ではないように思います。

太陽光発電:発電量マップ

同じ都道府県内でも地域によって発電量に違いがありますので上のサイトのような日本地図で発電量が見れるサイトだと便利ですね。長野県、山梨県で発電量が多いのが一目で分かりますね。

自然エネルギーは蓄電コストが下がらない限り主役になれない

今年の3月にも電力需要は逼迫した日がありましたが、太陽光発電は、悪天候時に発電量が落ちますし、そもそも夜には発電しません。このため現状は太陽光発電がいくら増えても、火力や原子力発電が不要になるわけでもないんですよね。

一種の蓄電設備である揚水発電と組み合わせられれば良いのかもしれませんが、揚水発電のキャパ自体が少ないし、揚水発電自体が気軽に増設できるものでもないし。

本当は太陽光発電を義務付けるのであれば、同時に発電能力に応じた蓄電設備の設置も義務付けられるといいと思うんですが。でも現状下のリンクを見る限りは家庭用の蓄電設備は最低100万円程度はかかりそうです。

【2022年最新】おすすめ家庭用蓄電池5選!導入時に利用できる補助金制度の例も紹介

あとこの蓄電池って10年保証はついているようですけど、10年毎に交換を要するもののかな?100万円のものを10年おきに交換するとか結構重い負担ですよね。結局現状は太陽光だの蓄電設備だのを導入するより普通に電力会社から電気を買った方が得ということになってしまいますね。

太陽光パネルが100万円で蓄電設備が100万円。最低合計200万円もかかってしまいますね。しかも定期的の設備交換を要すると。こうなるとさすがに戸建て購入者から苦情が殺到しそうな気もします。

自洗エネルギー普及のカギは、安全で低コストな蓄電設備が大量生産できる記述が開発できるかどうかにかかっていると思います。

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最後までお読みいただきありがとうございました。